招宴 2013年2,3月号 牧師巻頭言から

 

大斎節から復活節
受難から喜びへと


牧師 司祭 バルナバ 前田(まえだ) 良彦(よしひこ)


 今年の大斎節もあとわずかです。昨年同様、大斎研修では様々な学びの時となりました。個々の内容についてはこの招宴で紹介されますので、どうぞお読みください。大斎が始まって、大館聖パウロ教会で作成した十字架の道行の式文をレイアウトし直してもらったところ、とても素敵な式文となりました。毎回七~八人の黙想の時ですが、自己の内面を見つめる時となっています。夜の七時というと出席し難い時間かもしれませんので、来年はもう少し工夫してみたいと思います。

十字架の道行
聖マーガレット教会の十字架の道行:第5留 主イエス、クレネのシモンの助けを受けられる。(板絵)
「ラルシュ・かなの家」のメンバー、若本政一さん作。若本さんはシンプルで暖かな色合いと構図の絵で全国の教会から注目されている画家です。苦難のイエスさまをやさしく包み込むため、1~14留は黄色系の背景で統一されたとのことです。一方で苦しみを受けながら進まれるイエスさまの上に、残酷に照りつけるエルサレムの強い日差しを象徴しているような色と感じる方もいらっしゃいます。

 イエス様が受けられた誘惑、そして受難の週の聖書を読みますと、本当に試される自分とそこから逃げ出したくなるような自分を見出します。信仰という言葉を本田哲郎神父は「信頼して歩む」と翻訳されていますが、聖書の言葉を読み、神様の思いとイエス様のみ言葉をどれほど信頼して自分の人生を歩んでいるのか、自己対話の繰り返しをしているようです。自分の内面を見つめることは容易なことではありません。すぐに逃げ出して横に逸れそうな自分もあります。責任転嫁しそうな自分も発見します。けれどもそういう自分があるのだということも見つめなければならないのでしょう。
 聖木曜日と受苦日、そしてイースターヴィジルの礼拝を経て復活日を迎えます。復活のイエス様と出会ったマリアや弟子たちはイエス様だと分からなかったと記されています。イエス様がご自身を現してくださって初めて分かったのです。信仰の目がないとイエス様だと分からないのかも知れません。
 イースターはイエス様のご復活を喜び祝う大事な礼拝となります。大斎節を大事にすればするほど喜びが大きいのかも知れません。イースターには笑顔でお会いしましょう。



ステンドグラスと花
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