招宴 2013年1月号 牧師巻頭言から

 

年を重ねることの学び
共感力を大事にしよう!


牧師 司祭 バルナバ 前田(まえだ) 良彦(よしひこ)


 十二月二五日を過ぎると、ものの見事に街からクリスマスが消え去ります。お正月風景に切り替わるのです。見事としか言い様がありません。新しい年を皆さんはどのようにお迎えになったのでしょうか?
 年をはぎ取っていくことは出来ないので人は誰しも年を重ねていくことになります。若くて元気な時は「年を重ねる」ということは分からないことでした。人は誰しもいつまでも自分は若いのだと思い続けます。しかし、ある時に「若くないのか…」と知らされる時がやってきます。「老い」を肉体的に知らされるのです。しかし、精神はまた別物です。「自分は若い」と思い続けることになります。

ステンドグラスとオルガン
2013年度聖マーガレット教会カレンダーの
写真と本年度の御言葉
マルコ福音書1:15(本田哲郎神父訳)

 年を重ねるということは、多くの体験を積み重ねることです。楽しいこと、悲しいこと、苦しいことの体験を人は嫌でも通過します。これらの体験を客観的に見つめる眼が、「経験」ということになります。だからこそ愛する人を失った人の思いに共感することが出来るのでしょう。苦しい青年の「今」に共感する力があるのでしょう。あるいは連れ合いを失った人の、自分より早く亡くなった子どもの親の苦しみにすぐに気づく力が、共感するということなのだと思います。

 毎週礼拝の中で東日本大震災被災者のための祈りがあります。この代祷を目を閉じて黙想するように聞いている方が多いようです。人ごとにせず、体で祈りを受け止めているように思います。先日も「釜石にジャンパーを!」という呼びかけに教会の入口にジャンパーや暖かい衣類が置かれていました。こういう共感力が嬉しいのです。
 今年はこの「共感力」を大事にしましょう。人生経験豊かな皆さんはこの力を持っているのです。若者は教会の共感する力を学び、生きるとはこういうことか!と学びましょう。神様はその姿を祝福してくださるのです。



snowing on the church
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