誘惑を受ける
1さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を”霊”によって引き回され、2四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。
3そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」
4イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。
5更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。
6そして悪魔は言った。「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ。
7だから、もしわたしを拝むなら、みんなあなたのものになる。」
8イエスはお答えになった。
「『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある。」 9そこで、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて言った。「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。
10というのは、こう書いてあるからだ。
『神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。』
11また、
『あなたの足が石に打ち当たることのないように、
天使たちは手であなたを支える。』」
12イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」とお答えになった。
13悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。
新共同訳聖書
大斎節第一主日のこの日、今年の大斎節研修プログラム「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」が始まりました。第一回は、キリスト教海外医療協力会(JOCS)ワーカーとして、タンザニアのタボラに派遣され、最近帰国された倉辻忠俊医師(写真左)から「タボラの子どもたちとともに」というタイトルでお話を伺いました。
◆大斎節が始まりました。
寒い時期ですが「Lent」レントは春の意昧なのです。イースターを目指して祈りと黙想と学びを大事にしたものです。
今週の福音書はイエスさまが悪魔から試みを受ける記事です。「神の子なら・・・」との誘惑を聖書の言葉を持って退けます。神が与える試練は苦しめることが目的ではなく、神の恵み深い導きを知らせることなのです。人は思いもかけぬ試練に遭遇するものですが、神様の恵みを悟らせるのだと考えたいものです。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦