いま、大斎節の真最中ですが、大斎節は復活日に洗礼を受けるための準備期間としておりましたが、後にイエスさまの試みに会われたことを思い、信徒の学び、研修、修練の時として用いるようになりました。この期間には大斎克己献金をささげたり、十字架の道行きの祈りに参加したりしてイエスさまのご復活を待ち望むのです。
そこで、この大斎節はどのような聖書のみ言葉が与えられているのかを、振り返ってみましょう。
◆大斎節第一主日 マルコ福音書1章9~13節 「誘惑と試練」
◆大斎節第二主日 マルコ福音書8章31~38節 「自分の十字架を負え!」
◆大斎節第三主日 ヨハネ福音書2章13~22節
「『熱情』の神とあなたの家を思う『熱意』」
◆大斎節第四主日 ヨハネ福音書6章4~15節 「わずかな食べ物を分け合う」
◆大斎節第五主日 ヨハネ福音書12章20~33節 「来るべき日に『新しい契約が』」
◆復活前主日 マルコ福音書15章1~39節
「担わなければならない苦しみに直面したとき」
大斎節はまだ半ばですからこの大斎節の示している聖書をじっくりと読みながら黙想を深めていきたいものです。
聖書を読むのは自由に読めることも大事なのですが、あまりにも自分に引き寄せて読みすぎると大きく解釈を間違えることにもなりかねません。ですから今年の大斎の主日(日曜日)の福音書も出来れば前後の章を読んでおかれたら良いと思います。そうすると文脈に従って読むことが大事なことが分かります。大斎中にマルコ福音書を全部読んでからそれぞれの箇所を読むと「なるほど、こういう流れの中にあるのか」と納得が出来るのではないかと思います。そして同様にヨハネ福音書もせめて半分でも読んでおかれると、なぜこの福音書が用いられたのかが分かるでしょう。
◆十字架の道行き
大斎中に大事なプログラムとして毎週金曜日に「十字架の道行き」が行われますが、これもまた、み言葉への集中を味わうことのできるプログラムです。イエス様の十字架への道筋で起きるドラマをみ言葉を通して黙想をします。イエスさまの体験されたことがらと周りの人びとの想いが伝わってきます。祈ることと黙想をすることが味わえるのです。この大斎節中、ぜひ一度は体験してみてください。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦