38ヨハネがイエスに言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちに従わないので、やめさせようとしました。」
39イエスは言われた。「やめさせてはならない。わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、わたしの悪口はいえまい。
40わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。
41はっきり言っておく。キリストの弟子だという理由で、あなたがたに一杯の水を飲ませてくれる者は、必ずその報いを受ける。」
42「わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな臼石を首に懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がはるかによい。
43もし片方の手があなたがたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。
両手がそろったまま地獄の消えない火の中に落ちるよりは、片手になっても命にあずかる方がよい。
45もし片方の足があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。
両足がそろったままで地獄に投げ込まれるよりは、片足になっても命にあずかる方がよい。
47もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出しなさい。 両方の目がそろったまま地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても神の国に入る方がよい。 48地獄では蛆が尽きることも、火が消えることもない。
新共同訳聖書
教会入口のハナミズキ
◆本日の福音書は前半と後半に分けて考えることが出来ます。前半では「名」が取り上げられます。イエスの名によって悪霊を追い出す人がいて、弟子たちはそれを止めさせようとしますが、イエスは「止めさせてはならない」と述べます。弟子たちの思いあがり、自分たちだけがイエスの名を用いることが出来ると考えていたのでしょう。イエスの名のもとに弟子たちがあるのです。「キリストの弟子だという理由で・・・」と語ります。
◆小さな者をつまずかせるな、とも述べます。キリストを信じる生き方は幼子を受け入れて仕え、自分と意見の違う者を追い出さずに心を開き、兄弟も自分もつまずかせないように配慮する生き方が自分の中に塩味をもつことになるとイエスは述べるのです。キリストのかおりがする生き方とも表現できるでしょう。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦