35その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。
36そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。
37激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。
38しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。
弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。
39イエスは起き上がって、風を叱り、湖に。「黙れ。
静まれ」と言われた。
すると、風はやみ、すっかり凪になった。
40イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。
まだ信じないのか。
」41弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。
風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。
新共同訳聖書
◆本日の福音書は自然奇跡と呼ばれる奇跡が語られます。聖書の語る奇跡はイエスが神の子であることを証明するための奇跡ではありません。奇跡を、自然法則を超えた不思議な出来事と見るのではなく、神の語りかけと見られるかどうかの問いとして考えたいと思います。奇跡は絶えずこのような問いをしてくるでしょう。奇跡を目にした弟子たちはイエスは誰なのかという問いに続くことになります。ペテロが最後に「あなたはメシア」ですと告白しますが、私たちも「イエスは救い主です」と告白が出来るようになりたいものです。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦