26また、イエスは言われた。「神の国は次のようなものである。
人が土に種を蒔いて、27夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。
28土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。
29実が熟すと、早速、鎌を入れる。
収穫の時が来たからである。」
30更に、イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。
31それは、からし種のようなものである。
土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、32蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」
33イエスは、人々の聞く力に応じて、このように多くのたとえで御言葉を語られた。 34たとえを用いずに語ることはなかったが、御自分の弟子たちにはひそかにすべてを説明された。
新共同訳聖書
◆本日の福音書は「神の国」のたとえです。たとえを読み解くのは簡単ではありません。神の国の成長は人の手ではなく、「ひとりでに」なされます。どのように成長するのかはよくわかりません。神の働きがそこにあることは確かなのです。種が成長し大きなものになるように神の国は確実に大きくなります。農夫の感じることは神への確かな信頼です。神の国のたとえは「神への信頼」と言えるでしょう。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦