日本聖公会 聖マーガレット教会
〒167-0054 東京都 杉並区 松庵1-12-29
TEL 03-3334-2812
腹を立ててはならない
21あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。
人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。
22しかし、わたしは言っておく。
兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。
兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。
23だから、あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、24その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。
25あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官に引き渡し、裁判官は下役に引き渡し、あなたは牢に投げ込まれるにちがいない。
26はっきり言っておく。
最後の一クアドランスを返すまで、決してそこから出ることはできない。」
姦淫してはならない
27「あなたがたも聞いているとおり、『姦淫するな』と命じられている。
28しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。
29もし、右の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出して捨ててしまいなさい。
体の一部がなくなっても、全身が地獄に投げ込まれない方がましである。
30もし、右の手があなたをつまずかせるなら、切り取って捨ててしまいなさい。
体の一部がなくなっても、全身が地獄に落ちない方がましである。」
離縁してはならない
31「『妻を離縁する者は、離縁状を渡せ』と命じられている。
32しかし、わたしは言っておく。
不法な結婚でもないのに妻を離縁する者はだれでも、その女に姦通の罪を犯させることになる。
離縁された女を妻にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」
誓ってはならない
33「また、あなたがたも聞いているとおり、昔の人は、『偽りの誓いを立てるな。
主に対して誓ったことは、必ず果たせ』と命じられている。
34しかし、わたしは言っておく。
一切誓いを立ててはならない。
天にかけて誓ってはならない。そこは神の玉座である。
35地にかけて誓ってはならない。そこは神の足台である。エルサレムにかけて誓ってはならない。そこは大王の都である。
36また、あなたの頭にかけて誓ってはならない。
髪の毛一本すら、あなたは白くも黒くもできないからである。
37あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」
新共同訳聖書
また大雪に見舞われましたが、春は確実に近づいています。
◆先週の福音書は山上の教えに続いていました。「わたしが来たのは律法や預言者を廃止するため、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである」と宣言し、新しい視点から教えを授けています。今週の福音書で3つの掟を示しています。「殺すな」「姦淫するな」「誓うな」が取り上げられています。神が大切にするのは命を含めての人格全体なのです。兄弟との和解は神との関係の修復なのです。「姦淫するな」(本多哲郎神父訳では「不倫するな」)は心の中に思いがでるところまでひろげますが、結婚関係を壊すことだからでしょう。更に「誓うな」とありますが、誓いは信頼関係があるときは必要ありません。神を持ち出すことは神を利用することです。神を利用しない相互の信頼関係が求められているのです。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦