点字プリンター購入のためのイベント 出演者 プログラム
出演者プロフィール
点字プリンターとは?
「障がい者」関連活動連絡会とは? 点字プリンター購入のための募金活動
左から上里知巳さん、川島昭恵さん、竹下ユキさん
2月9日、日本聖公会 東京教区 「障がい者」関連活動連絡会(障関連)主催の点字プリンター購入のためのチャリティーコンサートが聖マーガレット教会にて開催されました。川島昭恵さんの語りと竹下ユキさんのシャンソンの世界に、二百人近くの方が来場され、楽しいひと時となりました。
点字プリンターは高価ですが、パソコンから文章を点字印刷してくれる便利な機械で、視覚障がいを持たれる方々との交わりには欠かせません。東京教区では障関連が点字プリンターを保有していて、教区の各種行事案内や点字版「裸足の宣教」冊子作成等に活用されています。
教区ただ一台のこの機械も老朽化し、故障したら修理部品もないとのことです。障関連では新機種購入の募金活動を始め、東京教区の信仰と生活委員会も後援し今回のイベントが実現しました。
今回のコンサートは大成功でしたが、まだ多くの募金が必要で、イベント等の募金活動を継続予定です。これからも、ご協力よろしくお願いいたします。
「障がい者」関連活動連絡会代表の日高馨輔 執事が、このコンサートの主旨を語り、来場された方々に感謝の気持ちを伝え、引きつづき協力をお願いし、開演にあたって祈りを献げられました。視覚障がいを持たれる、日高代表は、体調を少しくずされていましたが、このコンサートの準備にずっと参加され、この日を感慨深く迎えられたようでした。
「よいみみのこうま」・・・・・・・佐々木たづ
耳のきこえないこうまは、いじわるなこぎつねから、「君は神さまから、何のしるしももらっていないね」とからかわれ、仲間はずれ。ところが、ある雪の日、こぎつねは、子馬に神さまから贈られた素晴らしいしるしをみつけることになります。
「集団就職」・・・・・・・・・・・遠藤周作
集団就職で上京したトシ子はある漫画家夫妻の家で家事手伝いとして働き始めます。親元から離れての初めての都会生活、驚き、寂しさ、失敗。くじけそうになりながらも、故郷に戻る決心もつきません。そんな中、奥様から重大なことを告げられます。
川島さんは、点字の原稿を指でなぞりながら、喜び・不安・悲しみ・心の機微を、滑らかな語りと表情で紡ぎだし、聴く私たちに大きな感動を与えてくれます。
歌:竹下ユキ ピアノ伴奏:上里知巳
His eye is on the sparrow(一羽の雀に)
詞曲 S.A.Martin、 日本語詞 訳者不明
「一羽の雀にも目を注がれる神は私さえも支えてくれる。」聖書の言葉※がもとになっているゴスペル聖歌から、竹下さんの歌の世界が始まりました。
※「空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。」(マタイ6:26 新共同訳聖書から)
愛の賛歌
詞:エディット・ピアフ(Édith Piaf)、曲:マルグリット・モノー(Marguerite Monnot)
フランスで今も愛され続けているシャンソン歌手エディット・ピアフの代表曲。その詞は、妻子あるプロボクサー、マルセル・セルダンとの恋愛に終止符を打つためにピアフ自身によって書かれ、後にマルセルが飛行機事故で亡くなり、その死を悼むかのように、この曲が発表されると爆発的なヒットとなりました。
シャンソンにあこがれ、銀巴里でも歌っていた竹下ユキさん。普通はエンディングで歌われることの多いこの曲を、「シャンソンの世界」のはじめに情感をこめて歌ってくれました。
雀のように
詞:Marc Hely, 曲:Jean Lenoir 日本語詞:高野圭吾
2007年の映画「エディット・ピアフ ~愛の賛歌~」(原題La Mome)では、まだストリート・シンガーだったピアフ(本名エディット・ジョヴァンナ・ガション)が街角でシャンソン歌手のフレール(Fréhel)のこの曲を歌っていて、高級ナイトクラブのオーナー ルイ・ルブレに認められます。小柄な彼女はルブレからラモーム・ピアフ(La Môme Piaf:小さな小雀)の愛称で呼ばれ、クラブでシャンソン歌手としてデビューし、後にこれが芸名となります。
百万本のバラ
詞アンドレイ A. ヴォズネセンスキー(Andrej Andreevich Voznesenskij) 曲:ライモンズ・パウルス(Raimonds Pauls ) 日本語訳詞 松山善三
元々はラトビアのレオンス・ブリアディス作詞によるラトビアの苦難を歌ったものでしたが、後にロシアのヴォズネセンスキーによって悲恋の歌詞がつけられ、日本語でもこちらの歌詞が踏襲されています。松山善三さん以外に、岩谷時子さんや、加藤登紀子さん等もこの詞を日本語に訳しています。
アムステルダム
詞曲ジャック・ブレル(Jacques Brel) 日本語詞 矢田部道一
ジャック・ブレルの傑作とされる曲でイングランド民謡のグリーンスリーブスを思わせる旋律に乗せて、アムステルダムの港町での水夫と娼婦の喧噪と退廃的な夜の世界が辛辣な表現で語られ、エンディングの夜明けに向けて疾走するようにテンポを上げて終わります。日本では、2008年に亡くなられた作詞家でシャンソン歌手でもあった矢田部道一氏の訳で良く知られています。竹下さんは教会でこの歌を歌うことを少し遠慮がちに前置きして、この歌の持つ深い世界を、もの悲しく、かつ力強く歌いあげました。
街角のアヴェマリア
詞曲: アラン・バリエール(Alain Barriere)日本語詞: 五十嵐顕男
歌手アランバリエールの小品ですが、海外よりむしろ、日本で良く歌われるシャンソンです。日本語歌詞は、港町の酒場で、水夫の相手をする逃げ場のない女たちの姿を、いたわるように歌い上げます。竹下さんの最近のCDアルバム「街角のアヴェマリアたち」にも収録されていて、上里さんはこのCDでもピアノ伴奏をされています。
ラ・ボエーム
詞:ジャック・プラントJ.Plante、曲:シャルル・アズナブールC.Aznavour、日本語訳詞:なかにし礼
「ラ・ボエーム」はオペレッタ「ムッシュ・カルナヴァル」の中の一曲、後にアズナブールの持ち歌として大ヒットしました。ボエームは英語ではボヘミアン。19世紀フランスで、定職を持たない芸術家や作家、あるいは自由奔放な生き方する者をさす言葉として使われるようになりました。
かつて画学生だった男が、久しぶりに訪れたモンマルトルで、恋人のモデルと過ごした貧しくとも幸せな青春の日々を、竹下さんの歌で回想します。
さくらんぼの実る頃
詞:ジャン=バティスト・クレマン(Jean-Baptiste Clément) 曲:アントワーヌ・ルナール(Antoine Renard) 日本語訳詞:なかにし礼
1866年クレマンが作詞し、1868年に作曲出版された大変古いシャンソンですが、今でも良く歌われ、アニメーション映画「紅の豚」の中で加藤登紀子さんも歌っています。
もとはさくらんぼの実る短い季節と、はかない恋の苦しみとを歌った1~3番からなる曲でした。
その後、作詞者のクレマンは1871年のバリコミューンに評議員として加わり、バリケードの中でサクランボの籠を抱えてやってきた看護婦ルイーズと出会います。彼女はヴェルサイユ政府軍の迫る中、献身的に傷病兵の看護にあたります。しかし、血の一週間とも呼ばれる悲惨な戦闘により、パリコミューンは敗れ瓦解し、ルイーズも犠牲者となります。後に、そのことを知ったクレマンは、1885年に元の歌に、傷ついたまま消えない思い出の4番の歌詞を加えて、勇敢に逝ったルイーズにこの歌を捧げたとされています。
竹下さんは、そのような激動の時代の若者たちの恋を愛おしむように歌います。
愛について
詞曲 友部正人
コンサートの最後は、友部正人さんの愛について考えさせられる曲で締めくくられました。
アンコールの拍手に、川島昭恵さんと、竹下ユキさんが聖歌を来場者と一緒に歌い、聖堂はグロリアの歌声に包まれました。
大森明彦 司祭
川島昭恵(かわしま あきえ)
東京生まれ。6歳の時、おたふく風邪から髄膜炎を併発し、視力を失う。東京教育大学(現・筑波大学)付属盲学校で小中高と学ぶ早稲田大学第二文学部卒業。情報処理会社にプログラマーとして勤めるが、かねてからの思いをかなえてプロの「語り部」となり現在に至る。
映画「津軽」に出演。第1回わたぼうし語り部コンクールで人選。1999劇団「ふあんハウス」の「風に吹かれて」の主役。ルパン文芸会H。NHK-BS、ラジオ等に出演多数。
竹下ユキ(たけした ゆき)
東京都生まれ。子供の頃より教会音楽に親しむ。立教大学文学部英米文学科卒。1989年日本シヤンソンコンクール優勝。1990年銀巴里オーディション合格。以後銀巴里・渋谷ジァンジァン・南青山マンダラなどを始め、多くのライブハウスやコンサートホールで歌ってきた。(内10年間は、ソロ活動のほかに「亀淵友香とV0ICE OF JAPAN」他のコーラスチームに参加し研鑚を積む。)2010年山崎陽子の世界『朗読ミュージカル』、スティービー・ワンダーのバックコーラスヘの参加。2012年CD「街角のマリアたち」発売(問合せ:キングインターナショナル03-3945-2333)現在、欧米の歌を日本語に翻訳して歌うコンサートを中心とした活動を各地で行っている。同時に日本聖公会東京教区聖アンデレ教会所属、聖歌隊員でもある。
上里知巳(あがり ともみ)
山口県出身。上京して22歳の時、ブルーコーツのピアニストに迎えられ、編曲にも手を染め、次いで藤家虹二クインテットに参加したが、76年ブラジルに渡り、リオの放送局にアレンジャー=ピアニストとして就職。3年半余を南米諸国で活躍。帰国後は自らのグループを率い演奏活動をするかたわらアレンジャーとしてジャズ、シャンソン、歌謡曲の編曲、伴奏で活躍している。
コンピューターからデータを受け取って、点字用紙に点字を打ち出す機械を「点字プリンター」と呼びます。この開発により、たくさんの資料をスピーディに点字にすることが出来、視覚障がいを持つ人にとって大きな力となっています。東京教区でも、教区フェスティバルや主教按手式などで使用する式文を点字にしています。 障関連の保有している点字プリンターが老朽化し、新しいプリンターの購入が急がれています。障関連では、両面・点字墨字を印字できるプリンターを購 入したいと考えておりますが、約150万円とたいへん高価なものです。 この度東京教区信仰と生活委員会の協力を得て募金活動を始めることになりましたが、その募金活動の一環としてのこのコンサートを行います。ぜひご協力をお願いします。
「障がい者」関連活動連絡会は、2002年3月に発足しました。東京教区にそれまであった障がい者プロジェクトを継承して、東京教区内で「障がい者」に関わる活動を続けてきたグループや個人に呼びかけて成立したものです。
すべての教会が「障がい」を持つ人々と共に歩むことができるようにと、教区、教派、団体を越えて、イエス・キリストを信じる仲間が共に手を携え、「障がい者」への支援活動・啓発活動を続けています。
わたしたちは、「障がい」を持つ人々が負っているむずかしさを共有し、共に働きながら、イエス・キリストが示された「神の国」のしるしとなるため、歩んでいきたいと願っています。
「障がい者」関連活動連絡会のホームページも是非ご覧下さい。
点字プリンター購入のための募金活動を継続して行っています。
ご協力お願いいたします。
障関連お問い合わせ先:E-mai: info@skren.org
募金お振込先
郵便振替 00181-3-551839
口座名「障がい者」関連活動連絡会