2024年6月9日 聖霊降臨後第3主日(B年)

 

司祭 サムエル 奥 晋一郎

「御心(みこころ)を行なう人に」

神の御心(みこころ)を行う人は誰でも、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。【マルコによる福音書3章35節】

 先週のから主日礼拝では緑の祭色を用いて、聖書日課も特定〜と記された箇所を用いて礼拝を行っています。この緑の祭色は教会の暦では、聖霊降臨後の週と顕現後の週に用いられます。緑は植物の葉と同じ色で、命、成長を表しています。ですから、これからの緑の祭色を用いて礼拝をする聖霊降臨後の主日の期間、わたしたちの信仰が豊かに成長する期間となればと願っています。
 今日は今週の福音書の最後の言葉「わたしの御心を行う人こそ、私の兄弟、姉妹、また母なのだ」という言葉の「御心」という言葉に注目します。御心とは神様の心、神様の意志を意味します。ですから、私たちは神様の思い、神様の意志に沿った行いをすることが大切になってきます。しかし、わたしたちはそれらを完全に出来るでしょうか。残念ながら、そのようには出来ません。本日の旧約聖書の箇所、創世記3章、アダムとエバの箇所を通して、わたしたち人間は自己中心で、神様の言うことを聞くことができず、罪を犯す弱い存在であることが記されています。
 そのような私たち人間のために、イエスさまはこの世に来られ、神様の意志、神様のみ心は何であるのかを伝えるためにこの世に来られました。イエスさまはわたしたちに神様の働きである聖霊を受け止めることが大切であることを伝えました。さらに、イエスさまはわたしたちに、神様の思い、神様の意志である神様の御心を行う人になってほしいと願い、イエスさまは十字架の道を歩まれました。その様子は自らを誇るのではなく、謙遜でつつましいものでした。
 私たちもイエスに倣って、自らを誇るのではなく、イエスさまの御心、イエスさまの思いが何であるかを模索して、日々過ごしていきたいと思います。そのためにもわたしたちはこれからも、日曜日の礼拝、日々の祈りを通して、心を自分自身に向け自分のことばかり考える罪の状態から、心を神様に向ける状態、イエスさまに向ける状態、すなわち御心に適う行いができるようにするために、懺悔、悔い改めの祈りをすることをこれからも丁寧に行っていきたいと思います。そのことによって、イエスさまの兄弟姉妹として、信仰生活がこれまでよりも豊かに成長すると思います。