司祭 ダニエル 鈴木恵一
8月6日は主イエス変容の日です。福音書はイエスさまが山に登られ、祈っているときに姿が変わり、真っ白に輝いた出来事が朗読されます。日本聖公会では、この日に主イエスの変容をおぼえて建てられたすべての教会・事業のために祈ります。
そして、広島原爆の犠牲者とすべての被爆者のために祈ります。広島は史上最初に原爆が投下された地です。世界の平和のために、わたしたちができることを祈りの中から見いだしていきたいと思います。また、8月第1日曜日は日本聖公会青年活動のための日。すべての青年活動のため、ことに今年の8月31日からおこなわれる全国青年大会をお祈りのうちにお覚えください。
さて、今日の福音書(ルカによる福音書9:28−36)に記されているように、山の上で人が輝き出すということがあるのでしょうか。荒れた天候のなかでは、山の頂などが光り出すということもあるのだそうですが、イエスさまのこの出来事もそのようなことを表しているのでしょうか。でも、そのような現象の仕組みがわかったとしても、その出来事の意味までは知ることはできません。
この変容の出来事が、イエスさまの受難の予告に関連していることに注目したいと思います。弟子たちはイエスさまがモーセとエリヤと語り合うのを聞きました。そこではイエスさまがなさろうとしていることが語られていました。神さまの栄光に包まれるこの出来事で、イエスさまの十字架の出来事を通して成し遂げられようとしている道が示されました。弟子たちは驚き恐れますが、イエスさまの弟子たちへの強い励ましの出来事でもあります。
雲の中からの神さまの声を弟子たちは聞きました。「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」受難の道を歩まれるイエスさまとともに歩むことに招かれています。そこには神さまの栄光が示されています。わたしたちは光の道が示されているにもかかわらず、弟子たちのように目の前の恐れにとらわれて、その道を見失うことも少なくありません。しかし、このようなわたしたちにも神さまは、いつもともに歩む道を示してくださっています。祈りあうことを通して力を与えられ、神さまが示された道をともに歩み続けて行きましょう。
|