司祭 クレメント 大岡 創
今日、教会暦はマリアから生まれた神の独り子が割礼を受け、その名をイエスと名付けられたことを祝います。ユダヤ人として生まれ、律法の規定を身に受けられました。ガラテヤ書によれば「律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした」(4:5)と記されています。私たちが神の子として歩み出す、その道を開いてくださいました。
イエスという名は、旧約聖書のヨシュアと同じ意味の名前です。「神は救いである」という意味があります。また、イザヤ書には「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ」(7:1)と預言されていたように、名前というよりはイエスの存在を象徴する呼称として「インマヌエル」という名がありました。インマヌエルとは「神は我々と共におられる」という意味です。
新年を迎えるという喜びとは裏腹に、とても「おめでとう」とは言えない世界の状況があり、私たちのすぐそばにも、家族をなくされた方や、先の見えない感染症の拡大などの影響により経済的困難のなかで悩み苦しんでおられる方が多くおられます。しかし、とても「おめでとう」と言えないそのような状況の中で、わたしたちのただ中にイエスはお生まれになり、「主は救い」であり、神さまが私たちとともにいてくださると宣言する「主イエス命名の日」から、この1年が始まりました。
わたしたちも、この新たな年の初めにあたり、主がわたしたちの救いとなってくださることを願い、また主による平和がこの世界を新たに造り替えてくださるように、切に祈り求めたいと思います。
|