2022年12月4日     降臨節第2主日(A年)

 

司祭 ダニエル 鈴木恵一

 12月に入って寒さが一層増してきました。ようやく和歌山でも幼稚園の庭のいちょうの木が黄色になって葉を落とし始めました。お庭が黄色いじゅうたんで覆われたように、お庭の姿が急に変わって子どもたちは喜んでいます。落ち葉掃きをする先生を手伝ってみたりと、いつもとは違う遊びが始まりました。たくさんの落ち葉をほうきで集めようとしても、お庭の砂ばかりが集まってしまって、袋がすぐにいっぱいになってしまいます。そのような時に登場するのが、今日の聖書にも描かれている箕です。落ち葉と砂をより分けるためにこの時期には大活躍しています。本来は、麦や米の実ともみ殻を分けるための農機具です。麦の実と殻が混じったものを箕に入れてほうりあげ、軽いもみ殻は風に飛ばして、重い麦粒だけを分けるものです。
 洗礼者ヨハネは人々に神さまからの言葉を伝える預言者でした。今、神さまは人々に何を伝えようとしているのか、風によって、麦ともみ殻が分けられるように、神さまの聖霊の風によってより分けられる時が来ると、人々に伝えました。
 このように、降臨節のメッセージには、クリスマスを迎える華やか雰囲気とは対照的な厳しさがあります。人々の苦しみのただなかに来られる救い主の姿は、わたしたちが思い描く華やかさとは対照的です。闇のなかに暖かい灯がともるように、イエスさまが伝えるゆるしと恵みの出来事がありました。わたしたちも、恐れながら来るべき方を待つのではなく、愛と喜びに満ちた待望の時としてこの降臨節をご一緒に過ごしていきましょう。