司祭 プリスカ 中尾貢三子
三位一体とは?
聖霊降臨日(2022年は6月5日)の翌週は、三位一体主日です。「天地創造の主なる神」「イエス・キリスト、子なる神」「聖霊なる神」、それぞれがバラバラに存在するのではなくて、一つの神さまであると説明されています。初めて聞いたときは正直???状態でした。説明する側になってもどのくらい「きちんと」「正しく」お伝えできているか自信がありません。
個人的には、三つ葉のクローバーを引き合いに出します。葉っぱが三枚あるけれど一枚ずつバラバラなのではなく、三枚が一緒に茎につながっていることで「クローバー」として生きているのだという説明です。あるいは、神様という存在を可能な限り表現しようとした結果であり、言葉の限界を超えて神という存在を言い表そうとした結果が「三位にして一つなる神」=三位一体の神となったのではないかという説明をすることもあります。
今年、久しぶりにじっくりとクローバーを見つめていて、気づいたことがあります。葉から伸びた茎が地面に根を張り、茎から広がった葉が太陽を浴びている姿。茎から水分や養分を吸収して葉っぱで光合成をして大きく育ち、花を咲かせて種をつける営みは、天地創造の時に神様がご覧になって「良し」と言ってくださった「いのち」を次へつないでいくことにほかなりません。かつて天地を創られ、いのちの息を吹き込まれた神さま、神さまからいただいたいのちを、クローバーが力いっぱい現在を生き、そこから咲きだした白い花が、神さまのいのちを未来へとつないでいこうとしています。植物として至極当然の姿ですが、それを当たり前すぎて忘れていたことも含めて、神さまが私たちに知らせようとしておられることに気づかされたような気がしています。
神さまがイエスさまを通して人間にたくさんのことを示してくださいました。しかしかつての弟子たちも、そして21世紀を生きている私たちにすら、そのすべてを知り、理解することはできていません。理解できなくても、「真理の霊が来るとあなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる」(ヨハネ16:13)と言ってくださっています。今ここで生きているいのちが、天地創造の神さまにつながり、これからの未来をより神の国に近づける歩みを続けていくことができる。そのことに気づいたとき、この「三位一体」の意味が、去年よりも少しだけ、腑に落ちたような気がします。
「栄光は、父と子と聖霊に
初め(天地創造の時)のように今も、(これからの未来)世々に限りなく アーメン」
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