司祭 エレナ 古本みさ
「帰ろう、神さまの羽の下へ」【ルカ13:31−35】
大斎節第2主日となりました。先週の福音書は大斎節第一主日お決まりの「荒れ野の誘惑」でしたが、当HP説教、麓司祭のメッセージに目が開かれました。(まだ読まれていない方はぜひ一つお戻りください!) 紫の期節に入り、大斎克己献金の封筒を手にすると、わたしたちはイエス様が荒れ野で苦悶のうちに悪魔の誘惑に打ち勝たれる場面を思い浮かべながら、「さあ戦いに挑むぞ!負けてはなるものか」という気にさせられます。悪魔の甘い誘惑にNOを突きつけることのあまりの厳しさに、心の中に渦巻く黒雲に必死でパンチを喰らわすイメージを持つのではないでしょうか。しかし、先週のメッセージは再確認させてくれるのです。「イエス様は何もなさらずに、神様の愛に信頼して、ただ神様にすべてをお委ねになった」ことを。
今週の福音書の中で主イエスは、旧約の預言者たちにしたと同じようにご自分を拒絶するエルサレム(ユダヤ教指導者たち)に対し、「めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか」と神さまの思いを伝えます。それは、わたしたち一人一人にも投げかけられている言葉なのでないでしょうか。わたしたちは、自分の力を信じ込み、母鳥なしでは生きられない雛であることを忘れ、外へ飛び出していくのです、決して振り返ることもなく。その姿は「放蕩息子」にも重なります。
罪ある人間として、神さまから離れて生まれてきた以上、わたしたちは何もせず、ずっと母鳥の羽の下にいるわけにはいきません。でも、愛の神さまは御子イエスの十字架の死と復活を通して、いつも、何度でもチャンスを与えてくださっているのです。「戻っておいで」と大きなみ腕を広げて待ってくださる神さまの声を聴きましょう。疲れたら、振り返ればいいのです。それが悔い改めです。
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