2022年2月20日     顕現後第7主日(C年)

 

司祭 アントニオ 出口 崇

あなたがたの父が憐み深いように

 弟子たちは、イエス様のことを愛している仲間でありながらも、絶えず争いがありました。仲間でありながらも1番弟子になろうと争い、仲間割れをし、憎みあうこともありました。 
 私たちも友人、家族であっても、赦すこと、祈ることが出来ないときがあります。それでもイエス様は「すべての人を赦せ、祈れ」と命じられます。
 この教えを守った弟子は一人もいませんでした。ただ、イエス様のみがご自身の言葉を命を懸けて守る、すべての人を分け隔てなく愛する生き方をなさいました。
 イエス様の活動を快く思わない当時の権力者、指導者たちはイエス様を逮捕し、死刑にします。
 イエス様を信じ従っていた弟子たちは、逮捕されたイエス様を見捨てて逃げ出します。
 イエス様のことに最初は関心を持っていた多くの人々、群衆はイエス様の逮捕、死刑、十字架での死に無関心です。
 イエス様は肉体的な苦しみもさることながら、すべての人々に憎まれ、裏切られ見捨てられ孤独の中、十字架の上で息を引き取ります。しかし、それでもなお、すべての人たちを愛していました。人々の罪を赦し、神様に「彼らをお赦しください」と祈ります。
 すべての人に分け隔てなく神様の愛が与えられている。私にも、あなたにも。
 この厳しい教え、要求は、私たちに求めていることである以前に、イエス様が私たちに身をもってまずしてくださったこと、私たちにすでに与えてくださった大きな愛でした。