2020年8月23日     聖霊降臨後第12主日(A年)

 

司祭 ミカエル 藤原健久

希望を語る。【マタイ16:13−20】

 「あなたはメシア、生ける神の子です!」素晴らしい信仰告白です。これ以上ない希望の言葉です。
 この言葉の前に、イエス様は質問されます。「あなた方は私を何者だと言うのか。」人の意見ではなく、自分の考えを求められます。私たちの信仰は、他の誰でもなく、自分自身の信仰です。どれほど未熟で、不勉強であっても、自分の言葉で信仰を語らなければなりません。
 ペトロは、自分の言葉で、希望の言葉を語りました。そのことをイエス様はとても喜ばれました。「あなたはペトロ、私はこの岩の上に私の教会を建てる」と言われるほどに。
 けれどもペトロは、このすぐあと、イエス様からこっぴどく叱られます。ペトロは、素晴らしい希望を語りながら、その意味をまだ十分に理解していなかったのです。
 この時ペトロに足りなかったのは行動だったのかもしれません。その後様々な経験をし、信仰を深めたのでしょう。
 教会の使命は、希望を語ることだと思います。この世界には課題が多く、また不正や悪も多いです。けれども教会は絶望を語りません。教会は、自分の正直な思いと言葉をもって、また精いっぱいの行動を通して、この世界に、少しでも前向きな、人を力づける、希望を語ります。