2018年10月28日     聖霊降臨後第23主日(B年)

 

司祭 ミカエル 藤原健久

結果じゃない。【マルコ10:46−52】

 盲人の物乞いであるバルティマイが、「上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た。」彼は救われた喜びを体全体で表現しています。実はこれは、目が癒されたからではありません。癒しの前の出来事なのです。彼の救いは、癒しという結果とは別に成し遂げられたのです。
 彼はイエス様に「憐れんでください」と叫びます。これは「イエス様なら必ず癒してくださる」という信頼・信仰のためでしょう。彼の叫びはイエス様に届きイエス様から呼ばれます。その時彼は「これで大丈夫」と思ったことでしょう。未来への希望です。そしてイエス様は彼に願いを聞き、彼は癒しを願い、イエス様は彼に祝福の言葉をかけます。これは愛の交わりです。信頼・信仰と未来への希望を愛の交わり、これがバルティマイに救いをもたらしたのです。
 パウロは言います。「信仰と希望と愛、この三つはいつまでも残る。」私たちを救うのは信仰と希望と愛です。私たちは目に見える結果を求めがちです。結果は大事です。けれども私たちの魂を救うのは目に見える物ではありません。結果が出なくても、たとえ結果的に失敗しても、神様を信じ人を信頼し、明るい未来を求め正しい道を模索し、人々と愛の交わりを深めるとき、救いが来るのです。