執事 ダニエル 鈴木恵一
教会の暦は、まもなく顕現後の季節が終わり、大斎節にはいります。
今日の福音書(マルコ1:29−39)の朗読は、カファルナウムというガリラヤ湖のほとりの町でのイエスさまが癒しの業をされた出来事が朗読されました。先週に朗読された、悪霊に取付かれた人を癒された出来事から、カファルナウムでの丸1日での出来事として記されています。イエスさまは多くの人々と出会い、活発な姿が伝わっています。
会堂で教えを語られたイエスさまは悪霊に取付かれていた人を癒されました。そしてすぐに、シモンとアンデレの家に行き、シモンのしゅうとめの熱をいやし、もてなしをうけました。そして、夕方になると、イエスさまにいやしていただきたいという人々が続々と集まってきました。
それらの人々をイエスさまは癒され、ここでも 悪霊を追い出されます。そして、朝の暗い内に家を出て、人里離れたところに出かけ、祈りを献げられました。そして、イエスさまは弟子たちに、カファルナウムだけでなく他の町や村でも宣教をすることを宣言され、ガリラヤ中で活動されたことが記されています。
また今日は日本聖公会のハンセン病問題の理解が深まるように祈る主日です。日本聖公会は、ハンセン病の療養所に関わりが深く、いまも教会や礼拝堂があります。この病気に苦しむ人とともに歩もうとした歴史があります。日本でも、この病気にかかった人は、家族のもとを離れて暮らさなければなりませんでした。そして、病気に対して強い不安や偏見は、治療方法が確立し,うつりにくい病気であることが分かった後も続きました。そして、日本聖公会はその偏見をとりのぞくための働きが十分にできていないという反省から、この祈りの日を決めました。
病と疎外に苦しむ人に、イエスさまがなさった出来事をとおして、わたしたちの思いも深めていきたいと思います。
イエスさまは癒しの業をされた翌朝、夜明け前まだくらい内に静かに祈りの時をもたれました。イエスさまは、神さまからの導きを求めて祈るとき、人々の前から退かれ、ひとりで静かに祈りの時をもたれます。この祈りのなかで、イエスさまは弟子たちと近くのほかの町や村へ行くことを神さまの望みとして受け取ったのかもしれません。
わたしたちは、これから何をしたらよいのかと、迷うこと途方に暮れることも少なくありません。神さまに具体的な指針を示してほしいと望むこともあります。でも、それは一人ひとりは祈りの中で、沈黙のうちに語りかける神さまの言葉として、分かることもあります。
神さまがイエスさまに沈黙のなかで語りかけてくださったように、わたしたちも静かな祈りのうちにささやいてくださる、神さまからのよびかけに応えていきましょう。
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