司祭 マタイ 出口 創
主イエス変容の日=広島原爆の日 〜2つの光〜
わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。荘厳な栄光の中から、「これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」という声があって、主イエスは父である神から誉れと栄光をお受けになりました。【ペトロの手紙二 1:16−17】
毎年曜日に関係なく、8/6に私たち教会は「主イエス変容の日」を迎えます。ところがその日は同時に、「広島原爆の日」でもあるのです。
1983年、小学校の修学旅行で広島に行きました。被爆者の体験談を聞き、原爆の子の像に持参した折り鶴を捧げ、当時まだ展示されていた「被爆再現人形」を平和記念資料館で目の当たりにしました。事前学習で近所の公民館で見た、丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」を見たとき同様、あまりにも気分が悪くなって、すぐに外で休まざるを得ませんでした。地上約600m上空に、突如「太陽」が出現したのです。その「光」、「熱」、「風」がもたらした被害を、人形や図で目の当たりにしました。
イエスさまは、ペトロ、ヨハネ、ヤコブを連れて山に登り、イエスさまが天の栄光に包まれている様を見せられました。「キリストの威光」、「荘厳な栄光」を目の当たりにし、天からの声を聞いたペトロは、後に上記のように証言しています。同じ8/6でも、一方では「光」「熱」「風」が世界を包み込んで滅ぼし、他方では「キリストの威光」「荘厳な栄光」がイエス・キリストを通して、世界を包み込もうとしているのです。