2017年1月22日      顕現後第3主日(A年)

 

司祭 ミカエル 藤原健久

人をとる漁師【マタイ4:12−23】

 かつて信徒の方から言われました。「先生、人を漁どるのは難しいぞ!」その通り!宣教の難しさは日々感じています。それと同時に「人をとる漁師」という言葉の難しさも感じます。宣教は、魚を網で引っ張ってくるように、教会に人を引っ張ってくることだけではないように思います。もっと深い意味があるでしょう。
 ある信徒の方に、大きな影響を受けた牧師さんのお話を伺いました。その信徒の方いわく、その牧師さんは「その人を見ていると、自分も何かしたくなるような人」だったのだそうです。牧師さんの愛の生き方が、多くの人々に影響を与えたのでしょう。
 「人をとる漁師」とは、自分の生き方によって、人々を愛の実践へと導いてゆくような、宣教者なのだと思います。これは、決して難しいものではありません。流暢な言葉や難しい知識も必要ありません。ただ、神と人とを愛すること、その事によって、周りの人に影響を与えるのでしょう。きっと既に、誰かに生き方を伝えていることでしょう。
 復活されたイエス様は、この上なく人々を愛されました。その生き方は多くの人々に伝わりました。私達に伝えられ、私達が伝えるべきは、この愛の生き方なのです。