2017年1月1日      主イエス命名の日(A年)

 

司祭 ヨハネ 荒木太一

「イエスと名付けられた。」― 神さまの自己紹介。【ルカ2:21】

 日本中で祈りが捧げられる元旦に、私たちも祈ります。祈る心は誰にも共通です。新しい年に祝福と平和が、自分や家族に、友人や同僚に、社会や世界中に、どうかありますようにと。
 ただし教会が神社と違う点は、人間の祈りへの神の応答がある点です。神社では鎮守の森の沈黙が人への応えです。しかし聖書の神は沈黙を超え、言葉で人に語りかけます。「光あれ」と創造し、「あなたは神の子」と宣言し、「あなたと共にいる」ということを、神さま自ら一人の人間となって、人間に伝えました。この人となった神の名前が「イエス」なのです。
 人間の様々な祈りへの神の応答は、神の驚くべき自己紹介であり、約束でした。「わたしはあなたに、わたしの名前を教える。何かあれば、どんな時もどんな状況でも、この名前で私に祈りなさい。そうすればわたしはあなたの隣に居てあなたを支えるから。」私たちイエスの弟子は、神さま自らが教えた名前で神に祈ることが許された、幸せな民です。
 「イエス」という神の名前を通して神が共に居てくださる、それこそ人が祈り求める癒しであり、祝福であり、赦しの源です。
 2017年、どんな時もこの名前で祈り、この名前で神の答えを受けましょう。「主イエスよ、聞いてください、わたしはここにいます。」