2016年7月31日      聖霊降臨後第11主日(C年)

 

司祭 ヨハネ 井田 泉

キリストの言葉があなたがたの内に

「キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。」(コロサイの信徒への手紙3:15−16)

 わたしの心の中にはさまざまな言葉が響いています。その言葉はわたしのうちに感情を呼び起こし、気分を左右し、生きる意欲にまで影響します。
 良い言葉、うれしい言葉も人からたくさん聞いたかもしれません。けれどもかつて人から聞いた嫌な言葉、つらい言葉、ひどい言葉がしばしばわたしのうちによみがえり、わたしをひどく苦しめることがあります。
 人の言葉だけではありません。自分のうちに響く自分の言葉があります。時には自分を非難する言葉、自分を軽蔑する言葉、自分を貶(おとし)める言葉が自分から離れなくなることがあります。

 けれどもパウロは言います。
 「キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。」

 人の言葉ではなく、自分の言葉ではなく、キリストの言葉がわたしたちのうちに宿るように。しかも豊かに宿るように。
 「恐れるな、わたしだ」
 「あなたがたに平安があるように」
 「あなたはわたしの愛する子」

 キリストの言葉をわたしたちのうちに宿すとき、わたしたちは人からも自分からも解放されて、新しく生き始めることができます。