司祭 ヨハネ 井田 泉
キリストの言葉があなたがたの内に
「キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。」(コロサイの信徒への手紙3:15−16)
わたしの心の中にはさまざまな言葉が響いています。その言葉はわたしのうちに感情を呼び起こし、気分を左右し、生きる意欲にまで影響します。
良い言葉、うれしい言葉も人からたくさん聞いたかもしれません。けれどもかつて人から聞いた嫌な言葉、つらい言葉、ひどい言葉がしばしばわたしのうちによみがえり、わたしをひどく苦しめることがあります。
人の言葉だけではありません。自分のうちに響く自分の言葉があります。時には自分を非難する言葉、自分を軽蔑する言葉、自分を貶(おとし)める言葉が自分から離れなくなることがあります。
けれどもパウロは言います。
「キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。」
人の言葉ではなく、自分の言葉ではなく、キリストの言葉がわたしたちのうちに宿るように。しかも豊かに宿るように。
「恐れるな、わたしだ」
「あなたがたに平安があるように」
「あなたはわたしの愛する子」
キリストの言葉をわたしたちのうちに宿すとき、わたしたちは人からも自分からも解放されて、新しく生き始めることができます。