司祭 ヨハネ 荒木太一
「祭司となって、、、献げなさい」(復活節第五主日、Tペトロ2.1−10)
教会を出て、蛙ケロケロ田んぼを歩く復活節です。心が硬く信仰が退屈に感じる時、自然の中の方が創り主をより近く感じられる時があります。
ペテロは「あなたは祭司なんだ」と教えます。聖堂の中だけでなく、自然の中でも、職場でも、人生の全ての瞬間で神と繋がる人、祭司なんだと。本当の教会は建物じゃない。キリストと、彼を信じて「生きた石」となる信仰者から造られた「霊的な聖堂」、「祭司の共同体」なんだ、と。そしてこの霊的な聖堂の中で、わたしたちは祭司として神さまに献げものをするのです。
あなたは神さまに何を献げていますか? 感謝か、愛の実践か、祈りか、、、自分自身の生き方、か。
石造りの家の天井に最後に据えられ、全ての石をまとめるのが「かなめ石」です。キリストはわたしたちの大切な頭。しかしこの石は人々が捨てた石でした。人間からは価値がない、意味がないとされた存在。十字架のイエスさまはその代表です。この石を復活の神さまは、わたしたち祭司共同体の頭に据えたのです。人間の価値感を、神さまは大転換されたのです。
だからわたしたちは、人生の全ての体験を、失敗や苦しみや暗闇でさえも、復活の主に従い、造り主に献げられるのです。どうか一人一人が、この世に受けた生の全てを、神に感謝して献げる祭司となれますように。キリストの御声に従って、全てを天の父に献げる祭司になりましょう。