2012年5月27日      聖霊降臨日(B年)

 

司祭 サムエル 小林宏治

「聖霊が降る」【使徒言行録2:1〜11節】

 使徒言行録の第1章に、復活されたイエス様が40日にわたって、使徒たちに現れ、神の国について語られたことが記されています。その中で、イエス様は次のように言われています。「父がご自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたのしるところではない。あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりではなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」と。
 そして、今日の上記の箇所には、その聖霊が弟子たちの上に降ったと記されています。それが丁度、五旬祭の日だったというのです。一同が一つになって集まっていると、突然激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響き、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまりました。
 この場面を絵画などで見たことはありますが、どうしてもうまく自分の頭に描くことができません。とても不思議な情景だと思います。
 また、聖霊の働きにより、一同は満たされ、霊が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだしたとも記されています。聖霊により、ほかの国々の言葉で話しができるようになったというのです。エルサレムにはあらゆる国から移り住んだ人たちが住んでいました。その人たちが物音に驚いて集まってきました。その人たちが、自分の故郷の言葉で使徒たちが話をしているのを聞いたというのです。彼らの反応は、「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか」と。そして、「彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは」と。
 聖霊の降臨は、イエス様があらかじめ弟子たちに伝えていたことでした。しかし、その出来事は、ある日突然、弟子たちに示されました。この聖霊を受けた弟子たちの様子が上記には示されていますが、イエス様が与えようとされていた聖霊は、このとき、この場所にいた人だけに限定されるものではありません。今、このみ言葉を聞く、すべての人にイエス様は聖霊を送られるのです。国境を越え、言語を越え、あらゆる壁を越えて、聖霊は人々に吹き付けるのです。イエスさまの働き、神様の働きを信じることができるように。信じて、そのことを証しできるように。また、神様のみ旨にかなった生き方ができるように。何より、神様と共に歩むことができるように。

弱い私たちに、心の平安をお与えください。
隣人と共に歩むことができますようにお導きください。
聖霊をお与えくださいますように。