2011年9月4日      聖霊降臨後第12主日(A年)

 

執事 ヨハネ 荒木太一

「二人だけのところで忠告しなさい」【マタイ18:15】

 人が集まると必ずトラブルが起こります。そんな時どうしたらいいのか。そんな生活の小さい知恵まで初代教会は受け継ぎました。
誰かが悪い行いや失敗をした時、大勢の前でその人を叱責せず、一対一で顔を見て話をしなさい、というのです。もちろんそれでも改善しない時の現実的な附則もありますが、基本は一対一です。プライドを傷つけるな、というのもあるでしょうし、人と人の関係を大切にせよ、というのもあるでしょう。多勢に無勢よりも、一対一のほうが防衛本能が薄まり、「こころ」が伝わりやすいのかもしれません。もちろん、そうすれば必ず上手くいくというのではなく、そういう姿勢を取りなさい、というだと思います。失敗しつつ、私もそのように努めています。
ここにはイエス様が弟子に接した姿勢があるのでしょう。「周りの人はおいといて、あなたとわたしのあいだで」とイエス様は一対一で心に訴える方でした。善悪を、神の愛を、生きる意味を、まっすぐにあなたに訴える。あなたは愛されているんだ、と二人だけの所で告げているのが神という存在です。