2009年11月1日  諸聖徒日 (B年)


司祭 ミカエル 藤原健久

小さい私、見つけた。

 本日私たちは、逝去者記念礼拝を行い、既に地上での生涯を終わり、神様の御許におられる先人たちを覚えて、お祈りしています。私たちは亡くなった人のことを思い出すとき、その人のどのような姿を思い出すでしょうか。社会で大きな業績を残した姿でしょうか。多くの人々から賞賛されていた姿でしょうか。私たちが思い出すのは、そのような偉大な姿ではなく、もっと小さな、もっと個人的な姿ではないでしょうか。私に向けてくれた優しい眼差し、一言だけれども温かい言葉、私に触れた手のぬくもり、そのようなものを思い出すのではないでしょうか。
 私たちの社会の価値観は、その人の大きな部分を覚えます。けれども私たちの心は、その人の小さな部分を覚えます。そしてきっと、神様も、私たちの小さな部分を覚えてくださると思います。
 イエス様は十字架に架かり、誰よりも無力な、小さな姿になられました。けれどもイエス様は十字架を通して全ての人々を救われたのでした。
 私たちは十字架のイエス様への信仰によって、小さな自分を喜び、誇ることができます。イエス様の信仰に出会うことができた恵みを感謝したいと思います。