司祭 ヨハネ 井田 泉
聖霊降臨日の祈り
「わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」ルカ24:49
主イエスよ、あなたは天に昇られる前、聖霊を私たちに送ると約束されました。けれども私たちはあなたの約束を本気で聞かず、信じようともしてきませんでした。聖霊を必要としているのは私たちであるのに、私たちはそれを熱心に求めませんでした。
あなたは、「高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい」言われました。それなのに私たちは、高い所からの、神さまの力に覆われることのないままに、とどまることをせず、あせったり不安にかられたりしながら、動き回ってしまいます。あなたを仰いでとどまらせてください。高い所からの力を、聖霊を願い求めて、とどまらせてください。
「あなたがたの上に聖霊が降(くだ)ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」使徒言行録1:8
主イエスよ、私たちはあなたを信じています。あなたが聖霊によっておとめマリアからお生まれになったこと、30数年の間この地上に生きられたこと、私たちのために十字架にかかって死に、葬られ、三日目によみがえり、天に昇られたことを信じます。
けれども私たちには力がありません。多くの困難をかかえ、行き詰まり、挫折し、しばしば平安がありません。「地の果てに至るまで、わたしの証人となる」と言われたのに、そのようなことは自分には関係のないことのように思っています。
「あなたがたの上に聖霊が降る」とあなたが言われたその言葉を、信じて受け入れさせてください。私たちは慰めを必要としています。励ましを必要としてします。生きて働く力を必要としています。ましてあなたを現わし証ししていくことを願ったとしても、あなたから力をいただくことがなければ、そのようなことは到底できません。私たちの上に聖霊を降してください。聖霊を降して、私たちが力を受けるようにしてください。
「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」使徒言行録2:1‐4
主イエスよ、一つになって集まり祈る私たちにしてください。かつて最初の信じる群れの中に起こったことが、私たちの間に起こるようにしてください。天からの風の音を聞かせてください。聖霊の風が私たちの集まりに、私たち一人ひとりの心と体の中に入って、あなたの呼吸が私たちの中で起こるようにしてください。
聖霊の火が私たちの間に燃えて、私たちの不純なものを焼き清めてくださいますように。聖霊の火が私たち一人ひとりの中に燃えて、あなたの愛が私たちの土台となり力となり、私たちのすべてとなってくださいますように。
あなたを信じることが空しいことではなく、喜びであり祝福であり力であることを経験させてください。
主イエスよ、あなたのいのちと死とよみがえりが私たちの中に溢れますように。聖霊が私たちを動かし、私たちをとおして主の福音が宣べ伝えられるようにしてください。
御手を広げて私たちを祝福しつつ天に昇り、私たちのために執り成してくださるあなたのみ名を賛美します。アーメン