2008年10月5日   聖霊降臨後第21主日 (A年)


司祭 エリシャ 富田正通

刈り取られた物のその後【マタイ21:34】

 本日の福音書のテーマとは異なりますが、定年を間近にして、天国の生活シリーズをお届けしていますので、刈り取られた物のその後、すなわち、天国での生活についてお話しましょう。
 先だって、ある人と天国で食事をするのだろうかという議論をしました。わたしは、創世記に書いてあるから、食事をすると言いました。その方は天国で食事はしないといいます。言われてみると、食事と排泄は表裏一体で、天国で汚水処理場の建設は考えたくありません。鳥は、親がひな鳥の排泄物を巣の外に捨てます。天使の手がわたし達の糞尿で汚れるとは思いたくもなく、多くの動物のように親が赤ちゃんのお尻をなめてきれいにするという方式も天使様に申し訳なくとんでもないことです。さらに、捨てたものが宇宙の塵になるのも嫌ですね。排泄物の処理は神様がご存知のことでしょう。
 「牛も熊も共に草をはみ その子らは共に伏し 獅子も牛もひとしく干し草を食らう」(イザヤ書11:7)これは神の支配される国すなわち天国での様子を記したイザヤの一節です。また、エデンの園での動物の食物について「地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」(創世記2:30)とあります。肉食動物が草を食べて生存できないと考える方もおられるでしょう。創世記は「あらゆる青草」といっていますから、たんぱく質を多く含んだ草、またはたんぱく質からなる草があると示しています。この地上でも藻類のなかには多く含んだものがあるそうですね。
 さて、人間ですが、「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる」(創世記2:29)と神様が言われました。ここに、キノコがないのは残念です。また、肉や魚肉がないのも未練が募ります。でも、ライオンでも草で我慢をしているので贅沢は言えません。きっと肉の美味しさを忘れるほど美味な野菜や木の実が用意されているのでしょう。ひょっとして、大豆蛋白から作ったステーキや鳥のから揚げがあるのでしょうか。大いに楽しみですね。
 酒類はどうでしょう。今日の福音書はブドウの収穫に関してです。ブドウを搾る機械もよういされています。お酒を飲むと乱れる方もいますから、天国のぶどう酒はノンアルコールでしょうか。ノンアルコールビールは飲んだことはありますが、日本酒、焼酎、ウイスキー、テキーラ、ジン、ウオッカなど醸造酒や蒸留酒もノンアルコールかなと考えています。お味のほどは想像がつきません。天国では、アルコール分解酵素の働きがよく、飲んだら瞬時に分解されることを切望しようかと思っています。
 「天国よいとこ」という歌がありますが、考えれば考えるほど行くのが楽しみになりますね。不謹慎なところはお許しください。