2007年7月8日  聖霊降臨後第6主日 (C年)

 

司祭 ヨブ 楠本良招

初島だより(その4)「梅雨の晴れ間」

 近くの山々も緑に輝き、園庭の緑も一雨毎に青々と茂るようになりました。梅雨の晴れ間に小さな枝を切ったり、草を刈ったりする作業はかなりの重労働です。先月には幼稚園保護者による勤労奉仕がありましたが、2時間もすればくたくたになる位に疲れ果ててしまいました。当日雨が降れば中止なのですが、その日だけが晴れ間でかなりの蒸し暑さでした。お互いご苦労様でしたと挨拶を交わします。
 近所のおばさんは、梅雨の晴れ間に、たった一人で軽トラックを運転し、朝6時ごろから夕5時過ぎまでみかん畑の世話をしています。その間、家のガレージは開けっぱなし、家の中も丸見え、この地方は何事にも安心しているように思う。近所の人とは顔を見会わせれば挨拶する。先日、私が和歌山から荷物を持って帰ってくると、「お帰りなさい」と挨拶をしてくれる素晴らしい初島浜の地です。
 この主日の特定9のルカの福音書(10章1節〜12節、16節〜20節)、には、イエスさまは72人の弟子を任命し、2人ずつ派遣されたところから始まっています。「財布も袋も履物も持つな、途中で誰にも挨拶するな」と厳しく説いています。このテーマは「収穫は多いが働き人は少ない。・・だから収穫の主に願いなさい」でしょう。何も持たずに、大切な挨拶は「この家に平和があるように」と言いなさいと命令されています。ただその町で迎え入れなければ「足についたこの町のほこりさえも払い落として」と述べています。しかし72人は喜んで帰ってイエスさまに報告しています。
 イエスさまは72人に厳しさを伝えて身を引き締められたと思います。「あなたがたに害を加えるものは何一つない。悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。・・あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」と福音書は終えています。
 派遣された72人の弟子たちはとても不安があったと思います。
 私自身も初めて教会に派遣された時は不安と恐れがあったことを思い返しています。受け入れられなければ、足の塵をはらうことなど私にとっては到底無理な話です。イエスさまは「あなた方に害を加えるものは何もない」と72人の弟子たちに約束されています。
 丁度、72人の彼らの当初は辛い派遣でした。梅雨期の大雨のような気がします。私たちはイエスさまに信頼し、頼っていくならば、梅雨の晴れ間、そしていつかは梅雨が開け、明るく暑いまぶしい位の太陽の光が照り輝くと思います。