今は見かけなくなりましたが、昔の子どもは坊ちゃん刈りが普通でありました。私が坊ちゃん刈りだったのは小学校何年生までだったでしょうか。その後横分けにして以来四十数年基本的に同じだったのですが、最近になってヘアースタイルを変えてみました。気分は少し新しくなったようなのですが、自分では鏡を見ない限り分かりません。散髪屋さんから帰った姿を見て相方は、「へなちょこの清原」という評価でありました。また、「友蔵やね」とも言っておりました。「ちびまる子ちゃん」のお祖父さんです。
友蔵と言えば、「友蔵心の俳句」が何となく有名です。季語がほとんど入っていないので川柳だと言われますが。「クリスマス/栗がすまして/くりすます」とか、「だまされる/老いぼれじじい/ここにあり」、「明日こそ/何か良いこと/あるだろう。」まるちゃんのお祖父さんはかわいい孫のためにひと肌もふた肌も脱ごうとするのですが、善意だけでは通用しないことが多くて、つらい目にあってばかりです。その友蔵に風貌が似ているのだそうです。私に善意がどれくらいあるか分かりませんが、友蔵に似ていることは少し喜んでもいいのかなと思いました。
にせ友蔵心の俳句。「やさしさや/胸にしみ入る/神の声」、「善意では/通用しない/この世界」、「わざわいは/しんどいときに/一人きり」、「天の国/もっと近くに/あればいい」、「お恵みを/値上げしてねと/独り言」、「イエス様/見捨てないでね/ダメなわれ」、「空の鳥/小さいけれど/恵みあり」「食べてみる?/やっぱり甘い/へびの声」。
少しは友蔵やイエス様に近づければと思いますが、ヘアースタイルは似ていても、善意の面ではどちらからも限りなく遠いようです。
(教区主教)
|