らくだの買い物               主教 ステパノ 高地 敬


 記念すべき第50回です。ここに至るまで毎回いっぱい悩みながら、締め切りを過ぎて校正にも間に合わないことが多くて、関係の皆様に迷惑をたくさんおかけしてきました。ここに謹んでお詫び申し上げます。でも、多分今後も状況の大幅な改善は見込めないと思います。どうかお許しください。
 さて、皆さんはこんな経験がないでしょうか。スーパーで買い物をしてレジに並ぶ時、どのレジが一番早そうか判断をする。でも選んだレジの進み具合が遅くて、後から来た人たちが他のレジでどんどん先に済ませていく。そんなとき、自分の判断がものすごく間違っていたと思ったり、自分はなんて運が悪いのだろうと思ったりします。本当は、並んだレジの進み具合がとても速かったこともたくさんあるはずなのですが、それは忘れています。
 今まで、自分の番がやっと来たのにレシートの用紙の交換になってしまったり、前の人の品物の値段が分からなくて手間取っていることがよくありました。急いでいる時に限ってこんなことになります。「隣のレジに並ぶべきだった。向こうは二人でやっているのだし」と、自分の判断の甘さを思い知らされたり、自分の運の悪さを嘆いたり、今まで何度となくやってきました。
 そんな時は、「良い判断ができますように」とか、「悪い状況になりませんように(締め切りに間に合いますように)」とかお祈りしたいところですが、お祈りの結果が悪いと神様のせいになってしまうかも知れません。むしろ、状況が良くなくても(締め切りを大幅に過ぎても)、運が悪いと思える時にも、「その状況を受け留めて我慢したり乗り切ったりしますから、どうかお支えください」とお祈りして、運や神様のせいにしないよう自戒いたします。

(教区主教)