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「ぬかにらくだ」 主教 ステパノ 高地 敬
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特急電車を降りて、特急券がいらなくなったのでゴミ箱に捨てて、次の電車に乗って目的の駅で改札を出ようとしたら、何回やっても自動改札が閉まります。よく見たら、乗車券を捨ててしまっていたのでした。駅員さんに事情を話したら、「今度から気をつけてください。」とゆしてくれました。
ミャンマーのDVDを上映しようと探したけどないので、そう言えば誰かに貸したなと思って、急きょ他から借りてきたのですが、後で見たら、ミャンマーの品物の中にちゃんと片付けてありました。
こんなことがこの一週間にしばしばあったので、「私のボケがうつったんやわ」と相方が喜んでくれました。
「今度から気をつけます」と言って、少しは注意するのですが、これで失敗がなくなったり、ボケなくなるわけでもありません。失敗なんか全くしないという人がおられたら、その秘訣を教えていただきたいと思いますが、そんな人はいないということも知っています。
一度しかない人生ですから、何の失敗もなければ一番いいのかも知れませんが、それよりも、失敗した時にちゃんと後始末することの方が大切だし、現実的ではないかとも思います。今までが既に失敗だらけの人生なのですから。えっ、失敗をなくす気持ちが全然感じられませんか?
イエス様の十字架は、当時の人々には人生の大失敗としか見えなかったはずです。けれども、人々とは全く違った目を持って神さまが祝福された十字架は、大きな意味を持つものとなりました。私たちのいろんな失敗についても神さまは、「しんどいかい?」と声をかけながら、私たちが立ち上がっていくのをじっと見守ってくださっているのでしょう。
(教区主教)
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