い、「逆乗りをしないでください」とまで言います。何も言わないエスカレーターもたくさんありますので、不思議な感覚になります。
『ムーミン童話全集』第4巻に、公園番の夫婦が公園に立てているたくさんの立て札を、ムーミンの友達のスナフキンがみんな引き抜いてしまうシーンがあります。「公園にたちいることかたく禁止」、「草の上にすわるべからず」、「わらったり、くちぶえをふいてはいけない」、「草原でとびはねるべからず」など。そしてスナフキンは24人の小さな子どもたちに、「さあ、みんなきらくにおやり!好きな場所に行っていいんだよ」と言ってやります。でも子どもたちには帰る家もないので、大好きになったスナフキンについて行くことになります。
注意事項は身の回りにたくさんあります。日本では自動車は道の左側を通らなければならない(右側を通ってはいけない)。学生は授業に出なければならない(さぼってはならない)。人の助けにならなければならない(人の足を引っ張ってはならない)。どれも大事な決まりですが、毎日これを聞かされるとどうでしょうか。
ユダヤには決まりごとがたくさんあって、注意事項は禁止でもありますので、かなり窮屈な生活になります。ユダヤに限らず、私たちの身近でも、あるいは教会にも立て札はたくさん立っているのではないでしょうか。神さまのお恵みよりも、立て札に書かれていることの方が大事になってしまっていないでしょうか。
イエスさまはそんな世界に生まれられ、立て札をみんな引っこ抜いて、「さあ、みんな、気楽におやり!好きな場所に行っていいんだよ」と世界中に呼び掛けられました。そして、立て札を勝手に引っこ抜いた責任も取られました。クリスマス、私たちを自由にする大事なことをしてくださった方の生まれられたうれしい日。私たちは大好きになった方について行くことになりました。
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