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管区事務所だより 2006年2月25日 第204号 Page1/2 |
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□津波被害1年後のコロンボ教区 □「統一協会」問題についての日韓教会の協働 □MJM研修の一齣 □聖路加国際病院医療関係者パキスタン派遣の報告と医療支援に関するお願い □郵便振替払込料金(送金手数料)改定にともなうお願い |
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管区事務所総主事 司祭 ローレンス 三鍋 裕 | ||||||||||||||||||||||||
1月の末から10日間、武藤謙一司祭と南アジアを駆け足で回りました。今まであまり関心を寄せることのなかったお国について、少しでも学べればと、横浜教区の補助もいただいて出かけました。 シンガポールは中国のお正月で、大聖堂も鍵がかかっていました。美しい大聖堂ですが、これだけ文化の違う土地にイギリスとまったく同じ教会を建てたのは正解だったのでしょうか。この土地らしい信仰の表現というものがあったのではないかという意味では、ちょっと奇妙な感じでした。町全体が以前に比べてきれいにはなっていますが、何かテーマパークを散歩している感じです。それでもヒンズーの礼拝も見学しましたし、イスラームのモスクでは懇切丁寧にアラーの教えを講義されました。色々な宗教が共存している町です。在住の日本人の方のお話では、違う宗教・人種の人が交わることは少ないようですが、宗教が違うと食べ物も違いますし、簡単ではないのでしょう。 チャンギ捕虜収容所跡にはチャペルが復元され展示館になっています。日本軍が、また豪英軍が現地の人々に対してはどうだったかの視点がなく、日本軍が豪英人にどんなに残虐だったかの問題ばかりでした。つらいけれども現地の人々に対する日本の責任を問うて見たかったのです。勉強してから出直しましょう。 もう一箇所、日本人墓地を訪ねました。たまたま客死した有名人、現地で富をなした日本人、そして数多くのカラユキさんと呼ばれる日本の女性。明治の初期からこの遠い島に売られて行った女性たちのこと、売らなければならなかった貧しさを思いました。 スリランカ。研修とは言ってもやはり津波から1年、様子を伺いたかったのです。初期の緊急支援と呼ばれる医療、食料、飲料水の提供などの活動は終わっています。被害者の生活再建、教育を含めた地域共同体の再建の時期です。世界中からの支援が集まりました。感心しました。地域によっては漁船や漁具が余っているようです。悪いとは限りませんが、以前は伝統的なカヌー漁であったのに皆がエンジン付きのボートを欲しがります。賄賂を使って罹災証明を出させ、漁船をもらって他の土地で売り払ったという話まであります。「日本では賄賂があるか?」「時々新聞に出るよ」、「この国では新聞にも出ないよ」という現実もあります。時には洪水もあるようですが、お米は年に2回収穫、果物もあり漁業もありで、食べられないお国には見えないのですが、農地の多くは小作農。男性がほとんど働かないで、女性だけが働く地域もある。半年前にスリランカを訪問された方々の報告では小児が売買されることさえあるそうで、隠れたところにある貧富の差、つまりはエゴがこのお国の復興を妨げているように思えるのです。 もう一つの妨げは宗教・人種間の争い。CODEというNGOの報告では「一方で、津波直後はシンハラ人とタミル人が助け合う、(スリランカ人によると)ミラクル(奇跡)が起こったという事実。残念ながらミラクルは長く続かず、支援の分配方法やそれぞれの復興過程、大統領選挙結果の不満から、それぞれの民族による暗殺や地雷攻撃が発生し、停戦合意を崩壊させるかもしれないという懸念が広がっている現在」と記されています。コロンボ教区が最初から懸念し、今も細心の注意を払っておられる点です。今回も知らずに通過しましたが、紛争で立ち入り禁止地域もありました。予定の訪問を断念したところもありました。シンガポールとは状況が大変に違います。 このような状況の中でコロンボ教区は奮闘しています。ある町のヒンズーの学校から若い女性をコロンボの教会の学校に招き英語教師としての質を上げる。複数言語のこのお国では英語教育は大切なのです。教区会も複数言語で通訳つきですから。イスラームの町ではイスラームの指導者と組んで100家族を選び、簡単な鶏舎作成と50羽、平均42日分の飼料2回分の提供。2回、つまり約90日世話をすると手元に3千500円くらいの現金が残る、それ以降はそれを元手に自立してくださいというプログラム。月に2千円程度の収入から始めることになりますが、上手くいけば毎回数を増やせます。女性が自宅で働けるという大きな意味があります。強化プラスッチクの漁船25艘建造、ただしエンジンは各自で用意すること。これは本当に必要な人に渡るはずです。 ゆっくりながら住宅の再建も進んでいます。土地は政府が用意し、資材は教会を含めてNGOが提供、指導を受けながら住む人が自分で建てる。資金の限界もありますし、細々ですが着実な仕事が続いている印象でした。若い女性を集めての職業訓練もなされています。津波で家を失った人は寮に入れてコンピューター、英語、美容技術などの訓練。仏教徒が主でしょう、イスラームの女性はヴェールをかぶりますから。本当に小さな働きの積み重ねです。 コロンボ教区は津波の影響を受けた地域の病院に1台400万円の救急車を3台寄付したそうです。でも、これは海外からの援助もあっての例外でしょう。小さな教区ができることから始めている息の長い働きです。津波の直接の被害者だけでなく、地域社会全体の復興に協力しなければならない面もあります。司祭の初任給が月額7千円、定年55歳の教会ですから大変です。 いろいろな人々が復興を目指しているのですから、それぞれの宗教指導者が対立するか協力するかで大きな違いがあります。小さな宗教者のグループの働きが対人地雷禁止条約にまで結び付いた例を熱を込めて語ってくれた司祭もおられました。諸宗教の協力と言っても何でも同じとはいきません。諸宗教の単なる混合では新しい宗教が一つ生まれるだけですから意味がありません。お互いに尊敬しながら、自らの信仰に従って生きることの大切さを求めるという意味です。理解と協力の必要性が強調されるということは、それだけ対立が根深いということでもあります。そして、あらゆる差別が存在するそうです。 スリランカの困難を思うとき、日本にも共通する問題に気付かされるのです。災害、貧しさ、格差だけではなく、違う考え、違う価値観を持つ人々とどのように一緒に生きるかの問題です。お互いに迎合しあうのではなく、他者のそして自らの存在をお互いに尊敬し合いながら共に生きることが正義と平和の始まりではないでしょうか。 最後にコロンボ教区主教さまのお言葉。「みなさん、このコロンボ教区で、教会と人々と共に生活をしたいのなら、どんな形でも最大限歓迎しますよ。」とのことでした。 |
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■「統一協会」問題についての日韓教会の協働 |
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宣教主査 司祭 エレミヤ・パウロ 木村 直樹 |
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世界基督教統一神霊協会(以下・統一協会)によるマインドコントロール、霊感商法、そして集団結婚などは、マスコミなどでしばしば取り上げられ、その活動の違法性がよく知られているにも拘わらず、いまだに統一協会による被害が後を絶たないのが現状です。 日本聖公会は、三年前、日本キリスト教団統一原理問題全国連絡会、全国統一協会被害者家族の会、そして全国霊感商法被害対策救援弁護士連絡会の要請を受け、他のキリスト教各派と連携して、この問題に取り組むことになりました。正義と平和委員会は、統一協会の問題について、キリスト教の異端問題ではなく、統一協会によって被害を受けた人びとの問題として、この活動を行う旨の声明を出しています。 こうして2003年10月に、日本キリスト教団、カトリック中央協議会、日本福音ルーテル教会、在日大韓キリスト教会、日本バプテスト連盟、そして日本聖公会によって「統一協会問題キリスト教連絡会」が組織され、情報交換や統一協会対策などを話し合ってきました。 この話し合いの中から、この問題について、韓国の諸教会の理解を得るために、「統一協会問題についての日韓教会フォーラム」が企画され、今回の訪韓となったわけです。 フォーラムは、1月18日19日の両日、ソウルの大韓イエス教長老会百周年記念館を会場に、日本側から統一協会問題キリスト教連絡会、被害者家族の会、弁護士連絡会から28名、韓国側から、各教派の指導者21名が参加し、「統一協会問題に対する日韓教会の共働を模索する」というテーマのもと行われました。日本側は、日本におけるマインド・コントロールや霊感商法による被害の実態を伝え、韓国側の理解を求めました。また合同結婚によって韓国で生活している6,500人の女性たちの救援活動に対する協力を要請しました。17日(火)から20日(金)まで、統一協会問題キリスト教連絡会の一員として、救援活動に従事している弁護士や被害者家族の会の方々とともに、韓国のソウルを訪問し、韓国の諸教会に、日本における統一協会のいわゆる霊感商法による被害状況を訴え、合同結婚によって渡韓した6,500人の女性たちの救援活動の援助を要請してきました。2日間の話し合いの結果、以下の共同声明が採択されました。 「統一協会問題についての日韓教会フォーラム 共同声明文」(2006年1月19日) わたしたちは統一協会問題を日韓両教会で協議するために、1月18日から19日の2日間にわたり、大韓イエス教長老会百周年記念館において、日韓教会フォーラムを開催した。統一協会の問題に関して、日韓の各教派および弁護士、被害者代表が加わって意見交換したのは、今回が初めてである。 日本からは、統一協会問題キリスト教連絡会を構成する6教派の代表と全国霊感商法被害対策救援弁護士連絡会、全国統一協会被害者家族の会の代表等、28名の訪問団が訪韓し、韓国各教派の代表21名と意見を交わした。主な協議事項は、次の通り。 1.合同結婚に参加し、韓国に滞在する約6,500名の日本人女性の現状について 2.日本の教会の統一協会問題に関する共同の取り組みについて 3.弁護士団体、被害者団体の統一協会問題に対する取り組みについて 4.統一協会による麗水市(注・釜山に近い観光地)浸透問題について 第1回日韓教会フォーラムの成果として、以下のことについて、日韓教会が協力していくことを確認した。 1. 在韓の日本人女性約6,500名のために、相談窓口の開設に向けて、このフォーラムに参加した教派教会、団体が相互に協力すること。 2. 今後とも、情報交換を密にし、インターネットなどを利用し、統一協会信者へ正しい情報を伝える。 3. 日韓教会が、麗水市統一協会問題について協力する。 4. これらの協力によって、日韓教会の連携を深め、エキュメニカル運動にも貢献する。 麗水(ヨス)市の問題とは、統一協会関連企業によるリゾート開発のことで、大規模開発がすでに決定しており、その資金の大半は日本からのものとのことでした。つまり統一協会は、霊感商法などによって集めた資金を使って、リゾート開発やその他の事業を行っているのです。麗水のリゾート開発はまだ始められたばかりであり、今後ともに莫大な資金が必要です。それは取りも直さず、霊感商法の被害が今後ともに止むことはないということです。ちなみに2004年だけで、弁護士会に霊感商法の被害を訴えた人の被害額は30億円であり、1987年からの被害累計では、915億円にもなっていることを報告しておきます。 |
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■MJM研修の一齣 ─HIV/AIDSの人々と生きる日本人との出会い─ |
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北海道教区 司祭 ミカエル 広谷 和文 |
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ニューヨークで多くの出会いを経験した。その忘れがたい記憶の中に、岡田圭(けい)という日本人牧師がいる。 彼に会ったのは、マンハッタン島から川を隔てたブルックリン地区の「HIVに感染した人々とエイズを発病した人々が共に生きる家」。 ここは病院ではない。病気の正しい理解、治療の方法、生活指導などのレクチャーを行なう場だ。他にもいろいろなレクチャーが用意されているが、その一つにスピリチュアル・エデュケーション(霊的教育)というのがある。その担当者が岡田さんであった。彼はHIVエイズを宣告された人々が自暴自棄にならず、自らの病いをキチンと受け止めて、前向きに生きることができるように、全力で働いている。 MJMミッショナーの景山恭子さんに案内されて出かけた約束の時間、教室にはすでに40名ほどの「生徒」が集まっていた。一目で非常に貧しい人々だとわかる。数名の白人とユダヤ人だと名乗る女性のほかは黒人だ。 岡田さんが「今日は日本から僕の友人たちが来ているので、特別に質問を認める」と言うと、ほとんどの人が一斉に手を挙げた。「日本にも海より低い町がありますか?」、「日本にもユダヤ人がいますか?」から始まり、日本のHIV対策は? エイズ教育は? と答えに窮する質問が続く。 一区切りついたところで授業が始まった。 岡田さんは歯切れのよい口調で、きびきびと授業を進めていく。最後に彼が一つの問いを出した。「ライフ イズ・・・」。この・・・のところに、出席者がいろいろな言葉を入れていく。一人が大きな声で、「ヴァリュアブル」と答えた。それを受けて、岡田さんが「そう! ライフ(人生、いのち)はそれだけでヴァリュアブル(価値がある)なんだよ」と、きわめて明快なメッセージを語って、この日の授業が終わった。 ニューヨークで活躍している日本人は少なくない。スポーツ選手やアーティストたち。岡田さんもアーティストを目指してニューヨークへ来たと言う。が、米国社会の現実を目の当たりにして方向転換。貧しく病んだ人々の中に飛び込み、彼らと共に生きてきた。 このような人々から全幅の信頼を寄せられている一人の日本人がいる。その人に出会った喜びはとても大きかった。 (付記・本稿は1月10日〜16日、筆者がMJMの研修をもとに「釧路新聞」に連載した「ガイドブックにないアメリカ」の一編をもとに書き直したものである。この研修に際してお世話になったMJM、日本聖公会管区、北海道教区の全ての人々に心からお礼申し上げたい。) |
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■聖路加国際病院医療関係者パキスタン派遣の報告と 医療支援に関するお願い |
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管区事務所渉外主事 八幡眞也 |
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聖路加国際病院の医療チームがパキスタン北部地震被災者支援のため、第2回目の派遣をされることになりました。活動場所は前回と同じバラコットです。今回は3チームの構成で期間は2月24日から3月20日までです。現地被災者、ペシャワール教区関係者、聖路加国際病院関係者、派遣される医療関係者の方々のためにお祈りください。日本聖公会からは渉外主事が全期間同行致します。 被災者支援以外の医療支援に関して現地で話し合いますが、現地ペシャワールでは長期的な医療支援(たとえば医師の長期派遣)を願っているようです。日本聖公会の信徒あるいは信徒の関係者でこのような機会を活用してみたいと考える方がいらっしゃれば、是非管区事務所渉外主事にご連絡ください。現地の事情と要望を明確にして帰国後ご相談したいと思います。 |
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◇郵便振替払込料金(送金手数料)改定にともなうお願い |
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2006年4月3日(月)より、日本郵政公社は郵便振替サービスの各種料金を改定します。 これにより、諸献金等のご送金に利用いただいている通常払込は、窓口での手数料(払込料金)がこれまでより30円引き上げられることになりました。 管区へのご送金には多くの場合、払込料金加入者負担(赤で印刷の用紙)で郵便振替をご利用いただいておりますため、手数料の引き上げにより管区の負担額が大きく増加することになります。 ただし、郵便局のATM機械をご利用になった場合の手数料は4月以降も据置かれますので、なるべく窓口に持ち込まず、ATM機械のご利用をお願いします。 〈参考〉 郵便振替通常払込
*100万円を超える場合は100万円ごと及びその端数について、上記料金を合計した額。 なお、一般振替口座をお持ちの場合、送金額に拘わらず手数料一律15円(送金者負担)というサービスがあります。そちらを、ご利用になれる場合は、どうぞその方法もご考慮ください。以上よろしくお願いいたします。 |
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管区事務所だより Feb. 01 | ||||||||||||||||||||||||
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