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管区事務所だより 2005年3月25日 第194号 Page1/5 |
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□聖公会首座主教会議に出席して □首座主教会議声明、そしてイースターへ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
聖公会首座主教会議に出席して |
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首座主教 ヤコブ 宇野 徹 |
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去る2月20日から25日まで、北アイルランドのニューリにあるカトリック教会の施設である「ドロマンティン・リトリート・アンド・カンファレンスセンター」で、「首座主教会議」が開催されました。 今回の首座主教会議は35名の首座主教が参加しました。最大の問題は、一昨年の10月に行われた「緊急首座主教会議」の要請によってカンタベリー大主教が設置したコミュニオンに関するランベス特別委員会の報告書であるウィンザー・レポートをどう受け止め、考えていくかということでした。 同報告書はカナダとアメリカ聖公会での同性愛者のユニオンの祝福と同性愛者主教の按手によって起こったアングリカン・コミュニオンの危機に際し、アングリカン・コミュニオンについての検討と諸勧告を記しています。今回の首座主教会議においてこのレポートの各セッションに対する意見交換がなされ、特に、1998年のランベス会議で表明された決議(1.10)は、人間の性の本質についてアングリカン・コミュニオンの圧倒的多数の主教によって採択されたもので、それがカナダとアメリカ聖公会で起こった出来事によって深く傷つけられたことに対して多くの首座主教達は深い懸念を抱くこととなったが、しかし、これらの出来事はそれぞれの法規上の手続きと要件に完全に従って進められたものであることを認めざるを得ないというものであります。 討議の結果、この件について「首座主教会議は、ウィンザー・レポートにおいて論じられている諸問題の範囲内で、また、すべての関係者の誠実さに応えるためにも、アメリカとカナダ聖公会に次のランベス会議までの期間、自主的にACCのメンバーを辞退することを求める。また、その期間に、ウィンザー・レポートにおいて両教会に向けられている疑問に対して、即ち、アングリカン・コミュニオンにおける自身の立場について考えるよう、適当な法的機関の議を経て応答するよう求める。そして、自分達の主教との間で、あるいは、管区とその一教区との間で重大な神学論争の渦中にあるグループの誠実さと正当な要求を守るために、カンタベリー大主教は、緊急に、2003年10月の首座主教声明の線上で、どの教会であれ、そのような人々に牧会が適切に行われるよう監督できる相談機関を指名することを要請する」という声明を採択することとなりました。 この声明文を採択することによって一応、アングリカン・コミュニオンの分裂の危機は脱したように見えますが、今後のアメリカとカナダ聖公会の対応が重要となると言えます。しかし、世界の各聖公会のおかれた状況が相違する中で、アングリカン・コミュニオンが各管区や教区の自律性と相互依存性をどのように理解し、調整し、尊重しながら一致を求めていくかが今後の大きな課題となると言えます。また、私達は同性愛者についての理解と受けとめ方を、今後の自分達の問題として考えていかなくてはなりません。 なお、今回の首座主教会議の全般的な声明については、別紙(10頁以下に掲載)の声明文をご覧いただき、ご理解いただきたいと思います。 |
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首座主教会議声明、そしてイースターへ |
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管区事務所総主事 司祭 ローレンス 三鍋 裕 |
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注目を集めた北アイルランドにおける首座主教会議については、出席された宇野首座主教様が様子をお知らせくださっていますし、発表されたコミュニケの翻訳もこの号に掲載いたしました。どうぞ皆様にお読みいただき、考えと学びを深めていただきたいと思います。 このコミュニケは、決して少数者を数で押し切ったり、多数決で決められたものではありません。大きなスクリーンに草案を映し出し、一行一行を皆で修正しながら完成されたものだと聞いております。漏れ聞いた話ではありますが、数の横暴ではなく、心を一つにしてまとめられたものだそうです。 一見、コミュニケは北アメリカの教会には厳しい内容ですが、主教会だけでは決められない点もあるものの、アメリカ聖公会主教会は今回の首座主教会議の結論を真摯に受け止めて、大切な問題をアングリカン・コミュニオンの諸教会と十分な相談なしに進めてしまった部分のあったことを反省する、との声明を出されました。北アメリカの現実の中で、日々起こっている事柄に対処しなければならない教会ではあるけれど、聖公会全体の声に率直に耳を傾けようとしておられるわけで、カンタベリー大主教もこれを歓迎しておられます。6月のACC会議でもさらに論議がなされるでしょうし、来年のアメリカ聖公会総会でも論議されることでしょう。単なる論議ではなく、「愛の深まり」を与えられることを願って止みません。 同時に私たちは「特定の性的指向の人々の声を十分に聞き、当然のことながら完全な愛と尊厳を持つこと」を求められています。いろいろな少数者と呼ばれている人々へのかかわりと全く同じで、私たちが真にキリスト者であるかを問われる大切な事柄です。 時間の関係で翻訳できませんが、22日にはカンタベリー大主教のイースター・メッセージが届きました。「今回の首座主教会議のコミュニケの後半は決して付録ではない。首座主教たちは後半部分、貧しいお国の問題を本当に熱心に話し合った。エイズ、結核、マラリア、飢餓と貧困の克服。そして打ち続く災害。これらは教会が最優先に直視しなければならない現実です。多くの言語では『救い』と『健康』は区別できない性質である。」日本語でも『癒し』という言葉は両方の意味を持つでしょう。気が遠くなるような深刻さです。一人では立ち向かえません。しかし一人が立ち向かいはじめなければ何も始まりません。平和も同じでしょう。どうか絶望が生命に変えられますように。 ささやかではありますが、日本聖公会も大斎克己献金を用いて、この働きに加わっています。正直なところ大斎克己献金は年々額が減少しており、大斎克己献金資金として積み立てられた資金を取り崩しているのが現状です。それでも災害や貧困、そして病にある人々のためにお捧げ続けております。実際問題として大斎克己献金は前に向かって、外に向かってなされる働きを支えてまいりました。大斎克己献金だけではなく、ご協力をお願いする次第です。 自分たちの問題だけしか考えない墓の中に留まるのではなく、愛の光に輝く世界で新しい生命を喜び合う季節です。そんな思いで、心からイースターのお祝いを申し上げたいと存じます。 |
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管区事務所だより Mar. 01 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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