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管区事務所だより 2005年12月25日 第202号 Page1/3 |
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□戦後60周年の年末に当たって □カンタベリー大主教からの クリスマス・メッセージ □2005年各教区財政担当者連絡協議会を開催 □パキスタン北部地震医療支援活動に参加して |
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管区事務所総主事 司祭 ローレンス 三鍋 裕 | ||||||||||||||||||||||||||||
カンタベリー大主教のクリスマスメッセージにあるとおり、色々なことがあった1年でした。昨年末の26日でしたが、スマトラ沖大地震・インド洋大津波、ハリケーン・カトリーナ、パキスタン大地震、報道されない多くの災害、そして争い、貧困と病。小さな幸せが多く失われました。更に心が痛むのは、国内で小学生が殺害される事件が続いたことです。罪を憎んで人を憎まずとは言いますが、やりきれない気持ちです。ここでも小さな命と小さな家庭の幸せが失われています。 戦後60周年ということで、平和に関する行事や学びも続きました。沖縄や長崎は行けませんでしたが、広島には神戸教区の記念礼拝と米国聖公会総裁主教のご案内とで2度参りました。訪れるたびに平和への思いを新たにします。大量破壊兵器だけではなく、手軽に?劣化ウラン弾が使われている戦場も気になります。小さな幸せの大切さを思わせられるのです。先日のNCC宣教会議で伺ったお話ですが、沖縄で戦闘が終わって生き残った人々が語り合ったそうです。「亡くなった人々は、生き残った人々が何時までも嘆いているのを喜びはしないだろう。これからは雨を避けるだけの家と、その日の命をつなぐ食料で満足する生活をしよう」と。豊かな海はその日の食料だけは与えてくれたのでしょう。小さな幸せに満足し、お互いの幸せを大切にすることが平和を守る道と感じられたのでしょう。きっと、それが本当に正しいのだと思います。実際には米軍や本土資本の進出で難しくなったにしてもです。61周年はもっと大切なときにならなければ。 こんなはずではなかった、と思いながらも海外にも出かけます。貧富の差を感じます。一つのお国の中にも強い人と弱い人、富める人と貧しい人の差が目立ちます。WCCのコビア総幹事が語っていましたが、平和という漢字は、平等と和というハーモニーではなかったでしょうか。平等と和が平和の秘訣としたら、大きな力から小さな幸せを守りたいと思うのです。豊かな日本で不自由なく暮らしている身には言えた義理ではありませんが、ベツレヘムの静かで小さな幸せを思いたいのです。遠くから来たのですから、3人の博士はきっと外国人だったのでしょう。ベツレヘムから始まったわたしたちに戻ってみたいクリスマスです。 1年間本当にお世話になりました。正直申して公私共に少々大変な1年でしたが、感謝と共に終わろうとしています。お恵みを振り返れば忘年会なんて申し訳ない、新しいときへの希望に満ちた小さな望年会なら許されるでしょうか。皆さまのためにも、小さくても幸多いお年をお祈り申し上げます。 |
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■カンタベリー大主教からの クリスマス・メッセージ |
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多分、ほとんどの人々にとって過去12か月の間で忘れ去ることのできない出来事は、クリスマス直後に起こった津波による惨状と、秋にアメリカ南部諸州を襲ったハリケーンによる惨状でしょう。自然界は恐怖と惨劇の場と化しました。 神様はなぜこのような悲劇が起きる世界をお創りになったのか、という疑問を決して消し去ることはできません。しかし、クリスマスはわたしたちがはっきりと知っている一つのことを思い起こさせます。それは神様は、そのみ手を困難に対して差し伸べておられる、ということです。神様は魔法の杖を振り回されませんし、ちょいとばかり空から降りてきて万事を適当に片付けるということもなさいません。彼は単純に、その愛の完璧さをもって物事を変えてしまう人間としてこられます。イエス様は、その神性の源である御父と呼ばれるお方のみ旨にご自身を捧げられます。彼ご自身の命の泉から湧き出る完全究極な愛への道を、何事にも妨げることをお許しになりません。彼はどの瞬間にも、いかなる犠牲を払おうとも、すべてを新しくするみ業のためにご自身を与えられます。そして、世界を、目に見える世界さえも変えられます。死が克服され、物質の世界も深い意味では神様のご栄光を現すようになるのです。そのようにわたしたちは変えられるのです。わたしたちにとって新しいことが可能になるのです、新しいレベルで愛の手を差し伸べ合い共に生きるのです。よく言われるようにキリスト信仰の苦難に対する答えは論理ではなく、キリストの命と死と同じく現実の命と死の物語なのです。そしてこの答えが証明されるには、この物語が目に見える物語、生き様でなければなりません。わたしたちは困難や悲しみに対して、わたしたちは何をするかで答えねばなりません。なぜならばわたしたちが知っているひとつのことは、これは神様がなさっておられることだからです。信仰が回復されたり強められたりするのは議論によってではなく、行いによる証によります。今年、わたしが感動させられたことは、津波被害の絶望的な状況に対して、またニューオーリンズにあって困難に直面している人々に対して、いかに多くの優しい手が差し伸べられたか、ということを知らされたことです。 わたしは、聖公会のメンバーがいかに犠牲的な働きをなしたかを記した何通もの感動的なお手紙をいただきました。例として二つだけ名前を挙げると、東南アジア管区とスリランカのクルナグラ教区ですが、理屈は後回しにしてまず手を差し伸べるという立派な証をされたことです。つい数日前にはハリケーン・カトリーナで家を失った人々と何週間も昼夜にわたっての働きの話をテキサスからの女性から聞かせてもらいました。ここには、あの恐ろしい苦難に対しての答えを神様の道に従って示すことのできる人々の服従、奉仕、そして愛の物語があるのです。 正しいことを主張さえすれば、すべてがうまくいくのだという空想から、わたしたちを引き戻すキリスト教信仰の何かがあると思うのです。神様にとってクリスマスに語られるべきことは、危険と苦難のご生涯の始まりのときの小さな赤ちゃんの泣き声なのです。神様はその恵みによって、また聖霊によって、わたしたちがこの世界の苦難に満ちたなぞに対して、手を差し伸べることができることを示しておられます。論争と苦き葛藤の中で、わたしたちの愛する教会の将来について苦悩するこのときに、神様は聖公会の諸問題を人間の計画や定式によってではなく、キリストの愛の奇跡によってのみ解決されることを、思わされざるを得ないのです。もしも共に解決を求めようとするならば、先ずわたしたちは全面的に、無条件に、そしてどのような値を払っても、その愛に対して誓いを立てなければなりません。クリスマスのみ子の弱さと小ささの中に働かれる神様が、わたしたちの弱さと小ささの中に働いてくださいますように。そして、このときにあたり、皆さまを祝し強めてくださいますように。 |
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■2005年各教区財政担当者連絡協議会を開催 |
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管区財政主事 三村 英夫 |
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11月26日(土)午前11時より、日本聖公会センター・聖バルナバ教会会館において、各教区財政担当者連絡協議会が開催されました。 会議に際しまして、若宮財政主査が総合司会役、大久保財政主査ならびに山中財政主査が書記役、その他財政主査の皆さんには下記のとおり、それぞれ役割分担頂き、スムーズな会議進行に努めて頂きましたことを、この場をお借りして心から感謝申し上げます。 各教区共に欠席者は皆無であり、教区によっては2名乃至3名のご参加を頂きました。 加えて、とくに最近関心を集めている教区制改革に関連して、当該委員会委員としてご活躍の松村委員にご参加頂いたほか、管区事務所からは、総主事、財政主査(5名)の皆さん、陪席者として総務主事、会計担当者が参加しましたので、小職を含め総勢25名にも及びました。 会議の前半は、主に小職からの管区財政報告(当年度収支予想・来年度補正予算案骨子)のほか、予め各教区からご提出頂いたアンケートの集計内容について取纏め頂いた大久保主査より、分担金算出方法や教役者給与支給方法等を重点に説明があり、各教区財政担当者からの補足説明も加わり、活発な質疑応答がありました。 教区毎に、そこに根付く制度やシステムは、それぞれに個性があり、永年に亘る知恵と創意の結晶だけに、一部共通部分はあっても、単なる合理性による統合の難しさを痛感いたしました。 午後は、先ず、各教区財政運営上参考となるテーマに絞った解説からスタートしました。 久保田財政主査から国税庁資料に基づく宗教法人税務について、また、中林財政主査からはペイオフ対策について、それぞれ懇切な解説があり、各教区財政担当者の皆さんも熱心に傾聴されていました。 次いで、予め各教区から提出された要望・質問(5件)について、それぞれ各主事・各主査から丁寧な説明が加えられ、概ねご了承頂けたものと受止めております。 その後、大久保主査の司会の下、各教区個別の問題点・課題について、それぞれ教区財政担当者の皆さんからご報告を頂き、多岐に亘り情報交換がなされました。 引続き、協議事項として教役者給与水準格差、総主事から補足頂いた教会監査のほか、とくに松村委員による教区制改革の問題点や課題ならびに山中主査による聖公会年金制度の現状や課題に関するご報告等を巡り、自由闊達に意見交換や問題提起が行われました。 最後に、小職からまとめと閉会の辞を申し上げると共に、総主事のお祈りをもって、予定時刻を多少過ぎましたが、有意義な一日を締めくくることができましたことを、関係者の皆さんに厚く御礼申し上げます。 |
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■パキスタン北部地震医療支援活動に参加して |
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管区渉外主事 八幡 眞也 |
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聖路加国際病院の医師・看護師に同行してパキスタン北部のバラコットという町の近辺の被災者テント村で11月18日から12月5日まで18日間を過ごしてきました。 バラコットはパキスタンの首都であるイスラマバードから北方約150kmの所にある風光明媚な町である(あった?)。標高が1300m位あり、今の時期は昼間は暖かくてTシャツ一枚でも寒くないが、夕方・夜はぐっと冷えて、最後の日は朝テントの外に霜が降りていた程の気温であった。 我々が活動をした場所はバラコットから南約10kmにある被災者用テント村(Army Tent Village at Shohal)の中に設置された診療用テント・BHU(Basic Health Unitと呼ばれる)である。このテント村は人口約1300名、テント数180張りで、数多くある被災者用テント村の中では大きい方である。この規模のテント村は約25個所あると聞いた。各テントには5名?10名の家族が住んでいて、入居の際には寝具・衣料・基本的な食料(大きな袋に入った米、小麦粉、その他の穀類、料理用油等)・炊事用具一式が支給される。パキスタン軍が日常の管理の責任を持っていて、毎食パンに相当するチャパティを配給する。従ってテントの住人は基本的には衣食住が確保されている。 災害直後は緊急医療の需要がとても大きく、1日に200名近くの患者が来所して混乱があったようだが、聖路加国際病院の医師団が現地入りしたのが災害6週間後だったので緊急状態ではなく、現地の医師・看護師と共に毎日平均30名くらいの患者の対応をした。聖路加国際病院の都合があり、一つの班が現地に滞在できる期間が1週間なので計2班で2週間の滞在であった。医療活動の内容は複雑な例は殆どなく、気侯が寒くなりかけているので風邪や肺炎など、また、災害のために怪我をして継続治療をしている位であった。 医療活動の合間を利用して、今回の地震災害地のなかで一番被害が大きかったバラコットの町の状況を視察した。所々被害を受けていない様に見える建物はあったが、地震以前は沢山の4、5階建ての建物があったと思われるこの町が、今はほぼ完全に崩壊してしまっている。このような状況下にあっても人々は既に仮設の場所で様々な商売を開始している。八百屋、果物屋、お土産などを扱う露天商、食べ物の屋台等既に多々あり、彼らの生活力のすごさを目撃した。市街地から離れた山間部を視察する機会もあった。4輪駆動のおんぼろジープで崖から落っこちそうなオフロード山道を走り、約60家族が住んでいる所を訪ねた。ここも建物はほぼ全壊ですべての家族がテント生活をしている。既に冬の厳しさが始まっていて、彼らが今後どのようにして厳しい冬を過ごすのかは本当に心配である。ペシャワール教区の支援者も同じことを心配している。 ペシャワール教区としてこの状況の中で重点的に行う医療以外の支援活動は飲料水の確保(井戸を掘ること)、衛生面の改善と教育、子どもを対象とした教育等で、この為に人材と資金の確保が必要である。今後日本聖公会が出来ることの理想は、人材の派遣、例えば井戸掘りの技術者、医師の長期派遣など、と資金援助である。この両面の支援の実現の為に聖公会の皆さまの協力を心からお願い致します。 使命感をしっかり持った聖路加国際病院の若い医療関連の人達と行動を共にしたことは、私にとってはとても有意義であったし、この機会を与えられたことを感謝しています。病院側では、今回の視察兼医療活動実施の内容と現地の状況を検討して、医療活動の将来計画を立案する予定と聞いていますので、少し時間をかけた後に、活動継続の結論が出ることを期待しております。 |
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管区事務所だより Dec. 01 | ||||||||||||||||||||||||||||
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