日本聖公会 聖マーガレット教会
〒167-0054 東京都 杉並区 松庵1-12-29
TEL 03-3334-2812
上映後、山田 徹監督と参加者とのクロストークを予定 (20:00頃終了予定)
「新地町の漁師たち」 映画について ストーリー 概要
監督プロフィール
印刷用上映会案内
会場周辺地図と交通
◆映画について
3.11直後に福島県新地町を訪れた私は、津波の被災だけではなく原発事故による放射性物
質の海洋汚染によって福島県の漁業が絶望的状況下にあることを知りました。自分たちを育
んできた海、生業としてきた漁業の歴史を一度に奪われた人々は、これからこの地でどう生き
ていくのか。海はもう再生不可能なのか。私は新地町の漁師たちの行く末を記録しようとカメラ
を回し始めました。
2016年3月現在、福島の漁業は原発事故以降から継続してきたモニタリング調査の結果、
安全と判断された73種の魚介類を対象とした試験操業ができる状態まで回復しました。
汚染は浄化しつつあり、漁師たちはいつでも本格操業ができるのです。しかし、
原発は収束しておらず風評被害の問題もあることから、福島の漁業は未だ復興できない状況
にあります。原発収束や汚染実態の継続的なモニタリング調査は漁業の復興上とても大事な
ことです。しかし、復興を考える上で重要な問題は「フクシマ」という記号から抱くイメージから
私たち自身が現実の「福島」の漁業者の復興を妨げていることにあります。無意識の自虐行為
による傷から私たちは「復興」しなければなりません。
福島の漁業者が自立した人間として本操業を行えること、
そして福島が抱える多くの問題を考える一つのきっかけとして、この映画を被災地内外の場を超える多くの方々に観ていただきたく思います。
◆ストーリー
福島県新地町の漁師たちを2011年6月から2014年11月3日の安波祭までの3年半の期間
撮影した記録映画。東日本大震災による津波と原発事故によって福島県の漁師たちは生業と
してきた漁業の自粛を余儀なくされた。操業の目処がたたない中、海での漁業権を持つ漁師たち
と東京電力との間で増え続ける汚染水対策の一つである「地下水バイパス計画」の説明会が
始まった。計画を容認するか否かの意見が同じ漁業者間でも分かれる中、いかに合意形成を
図るかが問題となっていた。津波と原発事故がもたらした未曾有の大災害は、浜の生活を一変
させただけでなく、人間関係の軋轢を生み出し、さらには漁業が震災前から抱えていた問題を
大きく露呈させた。単純な復興とはいかない環境下で漁師たちは何に苦しみ、何を考え、どう
活動していくのか。漁師という家業、浜の伝統行事など、土地の暮らしや歴史を見つめ直しつつ、
災害が生んだ矛盾や困難を描くことで、被災者/非被災者の立場を超えた「私たちの復興」を
問いかけていく。
◆概要
製作年:2016年/時間:92分/企画:HD, 16:9, カラー, Blu-ray Disc
製作, 監督, 撮影, 編集, 配給:山田 徹
スタッフ:撮影協力 松村敏行, カラーグレーディング 青木可恋
音楽:3日満月(権頭真由&佐藤公哉 from “表現(Hyogen) ”)
協力:相馬双葉漁業協同組合, 相馬双葉漁業協同組合新地地区, 株式会社 自由工房
株式会社 いちまるよん
連絡先: 〒176-0001 東京都練馬区練馬4-25-17
山田 徹 Tel: 080-5074-5805
mail:info@yamadatoru.com, URL: www.yamadatoru.com
◆山田 徹/プロフィール
1983年、東京都新宿生まれ。自由学園卒。
映画美学校ドキュメンタリー科を経て、2009年からドキュメンタリー映画の製作会社である自由工房に勤務。記
録映画作家である羽田澄子監督に師事する。演出助手の作品として『遙かなるふるさと 旅順・大連』(2011)、
『そしてAKIKOは…あるダンサーの肖像』(2012)がある。そのほか個人活動として、国内アートプロジェクトの
記録映像に関わりつつ、2011年3月11日の東日本大震災から4年半をかけて映画『新地町の漁師たち』(2016)
を完成させる。初監督作品となる本作で2016年3月、第3回グリーンイメージ国際環境映像祭にてグリーン
イメージ大賞受賞。
山田監督より:本作品は自主製作です。上映運動を広げるため皆様のお力添えをいただきたく宜しくお願い
申し上げます。