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★太田信三 司祭による主日の福音 ★主日の福音(2025年9月28日) (聖霊降臨後第16主日・特定21、C年)「耳を傾けるがよい」(ルカによる福音書16: 19-31) 高級衣料に身を包む金持ちに対して、ラザロは「できもの」で身を包んでいます。金持ちが宴会を楽しんでいるのに対して、ラザロは孤独に空腹を耐えています。ラザロの友は、不浄な動物とされている犬だけです。金持ちの食卓から落ちるものとは、残飯か、あるいは手を拭うために使って床に落とされたパンくずです。ラザロはそれで空腹を満たすことすら叶いませんでした。その境遇の大きな隔たりを象徴するのが門です。門は、金持ちにとっては貧しい他者との「大きな淵」であり、ラザロにとっては決して叶わない世界との隔たりです。 ところがこの生前の境遇が、死後逆転します。ラザロは天使たちによって、先祖たちの集う宴席へと迎えられ、その祖であるアブラハムの隣、天の祝宴での最上の席に招かれます。他方、生前宴会に明け暮れていた金持ちは、陰府の炎の中で苦しみます。門を「大きな淵」としてしまっていた金持ちは、死後、今度は自分が通過不能の「大きな淵」に苦しむことになります。生前飲食を楽しんだ舌は、今や熱と渇きで一滴の水を求めています。 金持ちは、ラザロを遣わして兄弟に警告をして欲しいとアブラハムに願いますが、アブラハムは、「モーセと預言者たち」に聞けばよいと答えます。「モーセと預言者たち」とは「聖書」を表します。聖書のみ言葉を通して、すでに彼らには必要なメッセージが届けられている、警告はなされているではないか、とアブラハムは言うのです。しかし、この金持ちはみ言葉よりも奇跡にすがろうとします。死者ラザロが復活した姿で現れれば、さすがに兄弟も悔い改めるはずだと主張するのです。しかしアブラハムは、み言葉に耳を傾けることがない人間が奇跡を見たとしても、その意味を悟ることはできないと、彼の願いを退けます。人間は、たとえ目の前で奇跡が起こったとしても、心が開かれていなければ、それに気がつくことはできないのです。金持ちは奇跡が悔い改めへの入り口になると考えていますが、アブラハムは、開かれた心でみ言葉に聴くことこそが入り口だと言っています。 「門」はわたしたちの現実に、今も厳然とあります。さて、あなたたちはどう生きるのか、と主イエスはわたしたちに問うています。わたしたちには、金持ちの兄弟たちに与えられていたのと同じように、救いのみ言葉が既に語られています。なによりもまず、そのみ言葉に「耳を傾けるがよい」と、アブラハムはわたしたちにも告げています。 ★主日の福音(2025年10月5日) (聖霊降臨後第17主日・特定22、C年)「一粒の、愛ある信仰」(ルカによる福音書17:5-10) イエスは大きくなることよりも、小さくあることを大事にし、小さな命の営みを慈しまれました。今日の福音書で、使徒たちは「信仰を増してください」と、自分たちの信仰が「大きくなる」ことを求めています。しかしイエスは、信仰はからし種ほどで十分だと言われます。 大事なことは、「愛」があるかどうかです。パウロは、コリントの信徒への手紙Ⅰ13:2で「たとえ山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。」と言っています。使徒たちがいくら「大きな」信仰を持っていても、そこに愛がなければ意味がない。愛ある真の信仰ならば、からし種ほどの小ささでも十分だ、とイエスは使徒たちに伝えたのです。 今日の福音の後半部分では、クリスチャンには求められていることが記されています。それは、当然のこととして主人に仕え、見返りを求めず、しなければならないことをすることです。しかし、ルカによる福音書12:37には全く逆の記述があります。「はっきり言っておくが、主人は帯を締めて、この僕たちを食事の席に着かせ、そばに来て給仕してくれる。」この矛盾したような記述が何故あるのかと考えると、やはりクリスチャンの働きとは、主人である神からの愛への応答なのだ、ということなのです。 まず神が私たちを迎え、もてなし、給仕してくださる。そうして神の愛を感じるからこそ、私たちは感謝と喜びのうちに神に仕えて生きる心が与えられます。その愛が究極的に示された出来事こそ、十字架の死と復活です。主イエス自らが十字架上でもっとも弱く、小さくされた存在として命をささげてくださった。そのたった一つの命を神は復活させた。ここにたった一つの、小さな命へ注がれる神の大きな愛が示されました。そして、そこに示された大きな愛を知ることでこそ、私たちの内にも小さな命を慈しむ心が与えられます。愛ある信仰とは、イエスを通して示された神の大きな愛をいただくからこそ、私たちに宿るのです。 からし種一つの愛ある信仰さえあれば、そこに神からの大きな力が注がれます。イエスの十字架と復活という、たった一つの命がすべての命の救いの源となった出来事が、そのことを証ししています。大きなものに気を奪われ、小さなものへの眼差しを失うことがないように。からし種ほどで十分。神の愛の欠片をいただき、愛ある信仰を持って生きることができますように。 ★主日の福音(履歴) A年(2022~2023年) → 2022年11月27日 → 2022年12月4日 → 2022年12月11日 → 2022年12月18日 → 2022年12月25日 → 2023年1月1日 → 2023年1月8日 → 2023年1月15日 → 2023年1月22日 → 2023年1月29日 → 2023年2月5日 → 2023年2月12日 → 2023年2月19日 → 2023年2月26日 → 2023年3月5日 → 2023年3月12日 → 2023年3月19日 → 2023年3月26日 → 2023年4月2日 → 2023年4月9日 → 2023年4月16日 → 2023年4月23日 → 2023年4月30日 → 2023年5月7日 → 2023年5月14日 → 2023年5月21日 → 2023年5月28日 → 2023年6月4日 → 2023年6月11日 → 2023年6月18日 → 2023年6月25日 → 2023年7月2日 → 2023年7月9日 → 2023年7月16日 → 2023年7月23日 → 2023年7月30日 → 2023年8月6日 → 2023年8月13日 → 2023年8月20日 → 2023年8月27日 → 2023年9月3日 → 2023年9月10日 → 2023年9月17日 → 2023年9月24日 → 2023年10月1日 → 2023年10月8日 → 2023年10月15日 → 2023年10月22日 → 2023年10月29日 → 2023年11月5日 → 2023年11月12日 → 2023年11月19日 → 2023年11月26日 B年(2023~2024年) → 2023年12月3日 → 2023年12月10日 → 2023年12月17日 → 2023年12月24日 → 2023年12月31日 → 2024年1月7日 → 2024年1月14日 → 2024年1月21日 → 2024年1月28日 → 2024年2月4日 → 2024年2月11日 → 2024年2月18日 → 2024年2月25日 → 2024年3月3日 → 2024年3月10日 → 2024年3月17日 → 2024年3月24日 → 2024年3月31日 → 2024年4月7日 → 2024年4月14日 → 2024年4月21日 → 2024年4月28日 → 2024年5月5日 → 2024年5月12日 → 2024年5月19日 → 2024年5月26日 → 2024年6月2日 → 2024年6月9日 → 2024年6月16日 → 2024年6月23日 → 2024年6月30日 → 2024年7月7日 → 2024年7月14日 → 2024年7月21日 → 2024年7月28日 → 2024年8月4日 → 2024年8月11日 → 2024年8月18日 → 2024年8月25日 → 2024年9月1日 → 2024年9月8日 → 2024年9月15日 → 2024年9月22日 → 2024年9月29日 → 2024年10月6日 → 2024年10月13日 → 2024年10月20日 → 2024年10月27日 → 2024年11月3日 → 2024年11月10日 → 2024年11月17日 → 2024年11月24日 C年(2024~2025年) → 2024年12月1日 → 2024年12月8日 → 2024年12月15日 → 2024年12月22日 → 2024年12月25日 → 2024年12月29日 → 2025年1月5日 → 2025年1月12日 → 2025年1月19日 → 2025年1月26日 → 2025年2月2日 → 2025年2月9日 → 2025年2月16日 → 2025年2月23日 → 2025年3月2日 → 2025年3月9日 → 2025年3月16日 → 2025年3月23日 → 2025年3月30日 → 2025年4月6日 → 2025年4月13日 → 2025年4月20日 → 2025年4月27日 → 2025年5月4日 → 2025年5月11日 → 2025年5月18日 → 2025年5月25日 → 2025年6月1日 → 2025年6月8日 → 2025年6月15日 → 2025年6月22日 → 2025年6月29日 → 2025年7月6日 → 2025年7月13日 → 2025年7月20日 → 2025年7月27日 → 2025年8月3日 → 2025年8月10日 → 2025年8月17日 → 2025年8月24日 → 2025年8月31日 → 2025年9月7日 → 2025年9月14日 → 2025年9月21日 → 2025年9月28日 → 2025年10月5日
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