18:28 2018/10/15
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★太田信三 司祭による主日の福音 ★主日の福音(2025年10月19日) (聖霊降臨後第19主日・特定24、C年)「しつこく祈り続ける」(ルカによる福音書18:1-8) 先週の福音では、信仰とは物事の先に働かれる神を見る目であることが示されました。その目をもって世界を見る信仰者は、この世界に実際に働かれている神を見、神と共に生きることになります。その目で世界を見るなら、たとえばそれまで単なる「偶然」としてきたものが、意味あるものへと変えられることがあります。そして、この世界に神の存在を確かに見つめ、神との交わりに生きるなら、そこにおられる神との会話である「祈り」が生まれます。なぜなら、神と同じ世界に生きるなら、神とのコミュニケーションである祈りが必然的になされるからです。それゆえ、信仰者の特徴とは「祈り」なのです。 しかし、祈り続けることは難しいとつくづく感じます。日々の煩わしさのなかで、神を見失ってしまうことや、自分の祈りが聴かれていないのではないかと疑い、祈ることをやめ、神との交わりから離れてしまう。これが私たちの現実ではないでしょうか。しかし、そういう人間のことをイエスはよくご存知だからこそ、「気を落とさずに絶えず祈らなければならない」ことを教えてくださいました。 やもめは、自分を守るもの、保護してくれるものが何もない、極めて弱い立場を象徴する存在です。そんな彼女の唯一の武器は、「しつこさ」でした。彼女は「神を畏れず、人を人とも思わない裁判官」のところに通い続け、訴え続けます。結果、そんな裁判官でさえ、彼女のしつこさに押され、目を向けざるを得ないところまで追い込まれます。まして神は、しつこく祈る者から目を背けるはずがない。神は必ず祈りを聞き届けてくださるのだから、落胆せず祈り続けなさいと、イエスは励ましたのです。 今日の旧約聖書が強調することも「しつこさ」です。食い下がるヤコブを主は祝福し、イスラエルという新しい名、新たな命を与えました。もちろん信仰も、希望も、すべて私たちの行いによって獲得されるものではありません。私たちの目が開かれるのは、神が私たちと常に共におられるからこそです。神がいつも一緒にいてくださるからこそ、私たちの信仰の目が開かれるなら、いつでも神を見出し、祈ることができるのです。 いつも私たちと共におられる神は、必ず私たちの祈りを聴いてくださいます。神がその祈りにどのように応えてくださるかは分かりません。しつこさだけが武器であったやもめのように、祈り続け、神との交わりに身を置き続けることでしか、それは分からないのです。しかし神は必ず、私たちの想像を遥かに超えて応えてくださいます。気を落とさず、しつこく祈り続けられますように。そして、神と共に生き続けることができますように。 ★主日の福音(2025年10月19日) (聖霊降臨後第20主日・特定25、C年)「続・祈りについて」(ルカによる福音書18: 9-14) 先週に続き今週も、イエスは「祈り」について語ります。今週のたとえでは、「うぬぼれている」人としてファリサイ派の人が登場します。ファリサイ派の人々は、律法をあらゆる現実の状況に当てはめ、具体的に解釈し、それを正確に守ろうとしました。しかし残念なことに、彼らはそれを守っているかどうか、という尺度で人の価値を決めてしまっていました。そして、「あの人と違って、私はこれができているから正しい」と、彼らはいつも誰かを罪人としなければ、自分たちの正当性を確認できませんでした。それゆえ、今日の福音におけるファリサイ派の人の祈りは、他者との比較で自分を神に認めさせようとする、単なる自己肯定の宣言のようなものになってしまっています。 他方、徴税人は遠くに立ち、神殿に登ることも、目を天に上げることもできず、胸を打ちながら祈りました。イエスの時代、徴税人はユダヤを支配していたローマ帝国のため、同胞のユダヤ人から税金を徴収する役目を担っていました。その役職につくために多額の資本を投じたとも言われ、それを回収するためにも、不正な方法で取り立てることもあったようです。それゆえ徴税人は、同胞であるユダヤ人にしてみれば支配国の手先、十戒の「盗むな、偽証するな」に照らせば、罪人に他なりませんでした。 世間的に見て正しいのは、律法をよく学び、忠実に生きようとしたファリサイ派の人に決まっています。しかしイエスは、「義とされて」家に帰ったのは徴税人の方だと言います。義とされる、とは「神に善しとされる」とか、「神との正しい関係に入る」という意味です。それは今日の文脈で言うなら、どちらの祈りを神は喜ばれたか、ということでしょう。神の前で自分を誇ろうとしたファリサイ派の人と、自分のありのままを神に差し出した徴税人。徴税人の祈りこそ、神が喜ばれる祈り、神との正しい関係を表すものだったのです。 私たちは日々、自分の弱さや悪さを克服することに力を注ごうとします。もちろん、それはとても大切なことなのですが、しかしそこには、自らの行いや力に頼り、自らを誇り、神から離れてしまう落とし穴が潜んでいます。イエスは、弱さは神の憐れみに出会うための入り口、門だと教えています。自らを、弱さもろとも神の前に差し出し、神に頼って生きたいと願うとき、十字架上で最も弱い者となってくださったイエスが、両手を広げて迎えてくださいます。そしてイエスに迎えられ、神と共にある命に生きるところに、私たちが本当の意味で、神に喜ばれる道が開かれます。 イエスが来られたのは、「正しい人を招くためではなく、罪人を招くため」です。私たちは主の前にどのように立ち、祈っているでしょうか。自らを省みます。 ★主日の福音(履歴) A年(2022~2023年) → 2022年11月27日 → 2022年12月4日 → 2022年12月11日 → 2022年12月18日 → 2022年12月25日 → 2023年1月1日 → 2023年1月8日 → 2023年1月15日 → 2023年1月22日 → 2023年1月29日 → 2023年2月5日 → 2023年2月12日 → 2023年2月19日 → 2023年2月26日 → 2023年3月5日 → 2023年3月12日 → 2023年3月19日 → 2023年3月26日 → 2023年4月2日 → 2023年4月9日 → 2023年4月16日 → 2023年4月23日 → 2023年4月30日 → 2023年5月7日 → 2023年5月14日 → 2023年5月21日 → 2023年5月28日 → 2023年6月4日 → 2023年6月11日 → 2023年6月18日 → 2023年6月25日 → 2023年7月2日 → 2023年7月9日 → 2023年7月16日 → 2023年7月23日 → 2023年7月30日 → 2023年8月6日 → 2023年8月13日 → 2023年8月20日 → 2023年8月27日 → 2023年9月3日 → 2023年9月10日 → 2023年9月17日 → 2023年9月24日 → 2023年10月1日 → 2023年10月8日 → 2023年10月15日 → 2023年10月22日 → 2023年10月29日 → 2023年11月5日 → 2023年11月12日 → 2023年11月19日 → 2023年11月26日 B年(2023~2024年) → 2023年12月3日 → 2023年12月10日 → 2023年12月17日 → 2023年12月24日 → 2023年12月31日 → 2024年1月7日 → 2024年1月14日 → 2024年1月21日 → 2024年1月28日 → 2024年2月4日 → 2024年2月11日 → 2024年2月18日 → 2024年2月25日 → 2024年3月3日 → 2024年3月10日 → 2024年3月17日 → 2024年3月24日 → 2024年3月31日 → 2024年4月7日 → 2024年4月14日 → 2024年4月21日 → 2024年4月28日 → 2024年5月5日 → 2024年5月12日 → 2024年5月19日 → 2024年5月26日 → 2024年6月2日 → 2024年6月9日 → 2024年6月16日 → 2024年6月23日 → 2024年6月30日 → 2024年7月7日 → 2024年7月14日 → 2024年7月21日 → 2024年7月28日 → 2024年8月4日 → 2024年8月11日 → 2024年8月18日 → 2024年8月25日 → 2024年9月1日 → 2024年9月8日 → 2024年9月15日 → 2024年9月22日 → 2024年9月29日 → 2024年10月6日 → 2024年10月13日 → 2024年10月20日 → 2024年10月27日 → 2024年11月3日 → 2024年11月10日 → 2024年11月17日 → 2024年11月24日 C年(2024~2025年) → 2024年12月1日 → 2024年12月8日 → 2024年12月15日 → 2024年12月22日 → 2024年12月25日 → 2024年12月29日 → 2025年1月5日 → 2025年1月12日 → 2025年1月19日 → 2025年1月26日 → 2025年2月2日 → 2025年2月9日 → 2025年2月16日 → 2025年2月23日 → 2025年3月2日 → 2025年3月9日 → 2025年3月16日 → 2025年3月23日 → 2025年3月30日 → 2025年4月6日 → 2025年4月13日 → 2025年4月20日 → 2025年4月27日 → 2025年5月4日 → 2025年5月11日 → 2025年5月18日 → 2025年5月25日 → 2025年6月1日 → 2025年6月8日 → 2025年6月15日 → 2025年6月22日 → 2025年6月29日 → 2025年7月6日 → 2025年7月13日 → 2025年7月20日 → 2025年7月27日 → 2025年8月3日 → 2025年8月10日 → 2025年8月17日 → 2025年8月24日 → 2025年8月31日 → 2025年9月7日 → 2025年9月14日 → 2025年9月21日 → 2025年9月28日 → 2025年10月5日 → 2025年10月12日 → 2025年10月19日 → 2025年10月26日
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