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★太田信三 司祭による主日の福音 ★主日の福音(2025年9月14日) (聖霊降臨後第14主日・特定19、C年)「一緒に喜んでください」(ルカによる福音書15:1-10) ルカによる福音書15章は、「失われた羊」「失われた銀貨」「失われた息子(放蕩息子)」という三つの「失われた」たとえによって、「失われた」ものを「見出した」喜びを伝えます。失われたものを見つけ、喜ぶのは他でもない、神です。迷い出た一匹の羊も、失われた銀貨も何の努力もしていません。ただ、主人が捜し出します。神との関係は、私たちが主体なのではなく神が主体だということです。「失われた」「見失う」「無くす」と訳されている単語は「アポリューミ」という同じギリシャ語で、「死ぬ」とか「滅びる」とも訳されます。すぐに神から離れて、「滅び」や「死」へと向かってしまう私たちを救いたいと心底望み、捜し出してくださるのが神である、ということです。 「羊が見つかった!」「銀貨が見つかった!」と大喜びしてくださる神は、その羊、その銀貨にこだわります。他の羊でも、他の銀貨でも駄目なのです。たとえば、自分の子どもが一人いなくなったとして、ならば養子をとれば良いじゃないか、とはなりません。それと同じように、神は私たち一人ひとりにこだわり、「あなたでなければ駄目なのだ」と、たった一人の命も失われることを望んでおられないのです。 失われていた命が帰ってきたことを喜ぶ神は、宴会を催し「一緒に喜んでください」と、共に喜ぶことを求めます。今日の福音書はファリサイ派や律法学者に向けて語られています。彼らは、自分たちは律法を守り、正しいという自負がありました。そして、それを守ることができない徴税人や罪人は救われないと考えていました。ファリサイ派や律法学者にとって、徴税人や罪人は「不要」で「いてはならない」人間だったのです。しかしそれは神の思いに反します。神はたった一人の命にこだわり、失われることを望まないからです。その神は、そのような悪い思いを離れ、共に喜ぶことを望んでおられるのです。 さて、今日の福音は私たちに、神の深い愛を伝えるとともに、あなたは共に喜んでくれるか?不要な、いてはならないとしている人間はいないか?一緒に食事ができない人間はいないか?と、問いかけます。私たちはこの問に痛みを感じるのではないでしょうか。しかし神は、そんな弱さを持った私たちのことをも、どこまでも捜し、愛し抜いてくださいます。他でもない、「私自身」が神に見つけられ、その愛を知ることで、私たち一人ひとりが共に喜ぶ者へと変えられるのです。 ★主日の福音(2025年9月21日) (聖霊降臨後第14主日・特定19、C年)「不正にまみれた富で友達を作りなさい」(ルカによる福音書16:1-13) 「不正にまみれた富で友を作る」とは、どういう意味なのでしょうか。富はわたしたちが生活をしていく上で必要不可欠なものです。そもそも富は神様からの賜物であり、わたしたちがそれを正しく用いることができるなら、それはすばらしいものです。しかし富は、神に成り代わる程の魅力を放ち、人間を引き寄せ、いつの間にか人間を支配します。そして堕落させ、道を踏み誤らせる力があります。この富の力に対し、人間は神様からの賜物を正しく用いることができない弱さを持っています。今日の旧約聖書で読まれるアモス書は、その良い例を示します。 アモスは紀元前8世紀、繁栄した北イスラエル王国で活躍した預言者です。しかし当時の北イスラエル王国は、繁栄していてもその現実は不正がはびこっていました。貧しい人々から不正に搾取し、私腹を肥やしていた金持ち達がおり、そのような人々をアモスは厳しく糾弾しています。金持ち達はどうすれば利益を増やすことができるかで頭がいっぱいでした。彼らは、大切な宗教祭儀や安息日は商売ができなくなるから邪魔だと思っています。確かに豊かな生活を享受する者は、それなりの努力をして豊かさを手に入れたのかもしれません。他人を踏み台にしているとは、おそらく思ってもいないでしょう。それゆえ、搾取されている側、痛めつけられている人間の痛みが分からず、実に無自覚に、おおらかに豊な生活を享受しています。アモスはその無頓着さを批判し、滅びの到来を預言したのです。一部の人間が富を独占する、しかも不正に独占すること。それは、一方では誰かの富は取り上げられ、その命すら奪っているということに他ならないからです。そして人の命をも奪うその富は、もはや「不正にまみれた」ものとなってしまっているのです。 残念ながら、この現実は今もまったく変わっていない、わたしたちの世界の現実です。どうしても人は富に魅了され、人がそれを用いる限り「不正にまみれた」ものとなってしまいます。そういう意味で、富そのものは汚れたものではないにもかかわらず、主イエスは「不正にまみれた富」と言われ、しかし、そのような不正にまみれた富であっても、どのように用いるかが大切だと仰っているのです。 富は人を狂わせ、人を殺しもします。しかし、まったく逆に、人を生かし、人と人との関係を繋ぐものにもなりうる、と主イエスは今日のたとえで教えています。誰も「神と富とに仕えること」はできません。たとえ「汚れた富」でも、それを神と人とにささげ、賢明に用いるならば、「良くやった」と言って、まことの友と永遠の住まいを与えてくださるのがわたしたちの神です。ですから、自分は今、神に仕えているか、富に仕えているか、それが分かれ道であることを忘れずにいたいと思います。 ★主日の福音(履歴) A年(2022~2023年) → 2022年11月27日 → 2022年12月4日 → 2022年12月11日 → 2022年12月18日 → 2022年12月25日 → 2023年1月1日 → 2023年1月8日 → 2023年1月15日 → 2023年1月22日 → 2023年1月29日 → 2023年2月5日 → 2023年2月12日 → 2023年2月19日 → 2023年2月26日 → 2023年3月5日 → 2023年3月12日 → 2023年3月19日 → 2023年3月26日 → 2023年4月2日 → 2023年4月9日 → 2023年4月16日 → 2023年4月23日 → 2023年4月30日 → 2023年5月7日 → 2023年5月14日 → 2023年5月21日 → 2023年5月28日 → 2023年6月4日 → 2023年6月11日 → 2023年6月18日 → 2023年6月25日 → 2023年7月2日 → 2023年7月9日 → 2023年7月16日 → 2023年7月23日 → 2023年7月30日 → 2023年8月6日 → 2023年8月13日 → 2023年8月20日 → 2023年8月27日 → 2023年9月3日 → 2023年9月10日 → 2023年9月17日 → 2023年9月24日 → 2023年10月1日 → 2023年10月8日 → 2023年10月15日 → 2023年10月22日 → 2023年10月29日 → 2023年11月5日 → 2023年11月12日 → 2023年11月19日 → 2023年11月26日 B年(2023~2024年) → 2023年12月3日 → 2023年12月10日 → 2023年12月17日 → 2023年12月24日 → 2023年12月31日 → 2024年1月7日 → 2024年1月14日 → 2024年1月21日 → 2024年1月28日 → 2024年2月4日 → 2024年2月11日 → 2024年2月18日 → 2024年2月25日 → 2024年3月3日 → 2024年3月10日 → 2024年3月17日 → 2024年3月24日 → 2024年3月31日 → 2024年4月7日 → 2024年4月14日 → 2024年4月21日 → 2024年4月28日 → 2024年5月5日 → 2024年5月12日 → 2024年5月19日 → 2024年5月26日 → 2024年6月2日 → 2024年6月9日 → 2024年6月16日 → 2024年6月23日 → 2024年6月30日 → 2024年7月7日 → 2024年7月14日 → 2024年7月21日 → 2024年7月28日 → 2024年8月4日 → 2024年8月11日 → 2024年8月18日 → 2024年8月25日 → 2024年9月1日 → 2024年9月8日 → 2024年9月15日 → 2024年9月22日 → 2024年9月29日 → 2024年10月6日 → 2024年10月13日 → 2024年10月20日 → 2024年10月27日 → 2024年11月3日 → 2024年11月10日 → 2024年11月17日 → 2024年11月24日 C年(2024~2025年) → 2024年12月1日 → 2024年12月8日 → 2024年12月15日 → 2024年12月22日 → 2024年12月25日 → 2024年12月29日 → 2025年1月5日 → 2025年1月12日 → 2025年1月19日 → 2025年1月26日 → 2025年2月2日 → 2025年2月9日 → 2025年2月16日 → 2025年2月23日 → 2025年3月2日 → 2025年3月9日 → 2025年3月16日 → 2025年3月23日 → 2025年3月30日 → 2025年4月6日 → 2025年4月13日 → 2025年4月20日 → 2025年4月27日 → 2025年5月4日 → 2025年5月11日 → 2025年5月18日 → 2025年5月25日 → 2025年6月1日 → 2025年6月8日 → 2025年6月15日 → 2025年6月22日 → 2025年6月29日 → 2025年7月6日 → 2025年7月13日 → 2025年7月20日 → 2025年7月27日 → 2025年8月3日 → 2025年8月10日 → 2025年8月17日 → 2025年8月24日 → 2025年8月31日 → 2025年9月7日 → 2025年9月14日 → 2025年9月21日
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