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★太田信三 司祭による主日の福音 ★主日の福音(2025年7月13日) (聖霊降臨後第5主日・特定10、C年)「誰が隣人に「なった」か」(ルカによる福音書19:25-37) 今日の福音は、律法の専門家がイエスを試そうとして質問することから始まります。そこから始まる問答を通して、イエスはとても大切なことを私たちに伝えました。この律法の専門家は、「神を愛し、隣人を愛する」という律法の核心をもって答え、イエスからも「正しい」と言われました。しかし、「それを実行しなさい」と言われたことで、律法学者は、「隣人とは誰ですか?」とイエスに続けて問うことになりました。ここで示されていることは、律法の核心を知ってはいても、それを知っているだけではまったく意味が無い、ということです。 「隣人とは誰か」と問うた彼の発想は、「愛する」ということを実行する前に、まずは隣人を特定し、その特定された人だけを愛そう、というものです。それは果たして正しい姿勢でしょうか。それが彼に問われた事です。ユダヤ人である彼の愛する対象=「隣人」には、サマリア人は入っていませんでした。なぜなら、ユダヤ人とサマリア人は対立してきた歴史があるからです。そして、彼にとって隣人とは、レビ人や祭司といった、正統とされるユダヤ人でした。しかし、イエスが話された、「眼の前に瀕死の人がいるのに、祭司とレビ人は通り過ぎ、サマリア人がその人を助けた」という話しは、まったく異なる隣人を彼に示しました。イエスは彼に問いかけます。「だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」彼は「サマリア人」をよほど嫌悪していたのでしょう。「サマリア人」という言葉を口にすることを拒むように、「その人に憐れみをかけた人です」と答えました。 「誰が隣人であるか」と問うた律法学者に対し、「誰が隣人になったか」と問うたイエス。ここに大きな違いがあります。祭司やレビ人は、瀕死の人が目の前にいても、その人を思うよりも、その危険な場所から身を避けることを考えました。しかしサマリア人は瀕死の人を憐れみ、近寄って介抱し、この人に尽くしました。憐れみとは、相手の痛みや悲しみへの痛みを伴うほどの共感であり、思いやりです。それは、虐げられた人や病にある人を見つめるイエスの思いであり、放蕩息子が帰ってきた時に駆け寄って迎えた父親の思いと同じものです。そしてそれは、神のわたしたち一人ひとりへの思いです。神がそれほどに大切にしてくださっている「命」そのものを心から大切にするとき、眼の前の人が「隣人になる」のです。それは決して人種や立場、そういう違いによって限定されるものではありません。イエスは言います。 「行って、あなたも同じようにしなさい。」 わたしたちが誰かの隣人になることを妨げるものは何でしょうか。ただひたすら、単純に、目の前の命を見つめ、駆け寄る人間でありたいと願います。 ★主日の福音(2025年7月20日) (聖霊降臨後第6主日・特定11、C年)「必要なことはただ一つ」(ルカによる福音書10:38-42) マルタという名は、「女主人」という意味があります。当時のユダヤ人社会では、男性が親族以外の女性と一対一で接することや、女性が男性を家に迎え入れることは、通常ありませんでした。ですから、(意外に思われるかもしれませんが)今日の福音をよく読み込むと、そのような常識を超え、イエスを迎え入れるほどの信仰をマルタが持っていたことが分かります。しかし、イエスを迎え、もてなす中で、マルタは大切なことを見失ってしまいました。 マルタと妹マリアは対照的です。十二弟子をはじめ大勢の人がいるなか、マリアは弟子の筆頭かのようにイエスの最も近くに座り、没頭してみ言葉を聴いています。そのマリアを見て姉マルタは腹を立てます。当時の社会において、女性のあるべき姿は、掃除をし、食卓を整え、客人をもてなし、給仕を続け、喜ばせることです。マルタは女性であるにもかかわらず、当時の常識にとらわれずにイエスを招き入れました。しかし途中で「女性のあるべき姿」に引き戻され、慌ただしく働くなかで、同じ女であり妹でもあるマリアも当然自分のように働くべきだと考えるようになりました。しかし、イエスはそんなマルタの名を呼び、言います。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」必要なことはただ一つ。イエスの近くを離れず、一心にみ言葉を聴くことなのです。イエスは、「マルタ、マルタ」と深い親しみと愛情を込めて呼びかけ、大切なことへと再びマルタを導こうとなさったのです。 私たちは社会生活を送るなかで、いつの間にか「こうあるべき」という意識を形成します。その意識は、無意識、無自覚のうちに自分の思いや考えを方向付け、支配します。今日のマルタを通して示されたことは、私たちもまた、いつの間にかみ言葉を妨げる覆いがかけられてしまっているということです。しかも無数にです。私たち一人ひとりがマルタなのです。しかし、主はそんなわたしたち一人ひとりの名前をも親しみを込めて呼び、語りかけてくださいます。大事なことはただ一つ。イエスから離れず、み言葉を一心に聴くこと。その言葉を心と体に迎え入れることです。すると、その言葉が芽を出し、成長し、実を結びます。そこまで耳を澄ませ、じっくりと主のみ言葉に留まって聴く。そうすることによってはじめて、私たちに被せられた覆いは取り除かれ、神の示される道を歩むことができます。すべての命が等しく、イエスの足もとへ招かれています。 ★主日の福音(履歴) A年(2022~2023年) → 2022年11月27日 → 2022年12月4日 → 2022年12月11日 → 2022年12月18日 → 2022年12月25日 → 2023年1月1日 → 2023年1月8日 → 2023年1月15日 → 2023年1月22日 → 2023年1月29日 → 2023年2月5日 → 2023年2月12日 → 2023年2月19日 → 2023年2月26日 → 2023年3月5日 → 2023年3月12日 → 2023年3月19日 → 2023年3月26日 → 2023年4月2日 → 2023年4月9日 → 2023年4月16日 → 2023年4月23日 → 2023年4月30日 → 2023年5月7日 → 2023年5月14日 → 2023年5月21日 → 2023年5月28日 → 2023年6月4日 → 2023年6月11日 → 2023年6月18日 → 2023年6月25日 → 2023年7月2日 → 2023年7月9日 → 2023年7月16日 → 2023年7月23日 → 2023年7月30日 → 2023年8月6日 → 2023年8月13日 → 2023年8月20日 → 2023年8月27日 → 2023年9月3日 → 2023年9月10日 → 2023年9月17日 → 2023年9月24日 → 2023年10月1日 → 2023年10月8日 → 2023年10月15日 → 2023年10月22日 → 2023年10月29日 → 2023年11月5日 → 2023年11月12日 → 2023年11月19日 → 2023年11月26日 B年(2023~2024年) → 2023年12月3日 → 2023年12月10日 → 2023年12月17日 → 2023年12月24日 → 2023年12月31日 → 2024年1月7日 → 2024年1月14日 → 2024年1月21日 → 2024年1月28日 → 2024年2月4日 → 2024年2月11日 → 2024年2月18日 → 2024年2月25日 → 2024年3月3日 → 2024年3月10日 → 2024年3月17日 → 2024年3月24日 → 2024年3月31日 → 2024年4月7日 → 2024年4月14日 → 2024年4月21日 → 2024年4月28日 → 2024年5月5日 → 2024年5月12日 → 2024年5月19日 → 2024年5月26日 → 2024年6月2日 → 2024年6月9日 → 2024年6月16日 → 2024年6月23日 → 2024年6月30日 → 2024年7月7日 → 2024年7月14日 → 2024年7月21日 → 2024年7月28日 → 2024年8月4日 → 2024年8月11日 → 2024年8月18日 → 2024年8月25日 → 2024年9月1日 → 2024年9月8日 → 2024年9月15日 → 2024年9月22日 → 2024年9月29日 → 2024年10月6日 → 2024年10月13日 → 2024年10月20日 → 2024年10月27日 → 2024年11月3日 → 2024年11月10日 → 2024年11月17日 → 2024年11月24日 C年(2024~2025年) → 2024年12月1日 → 2024年12月8日 → 2024年12月15日 → 2024年12月22日 → 2024年12月25日 → 2024年12月29日 → 2025年1月5日 → 2025年1月12日 → 2025年1月19日 → 2025年1月26日 → 2025年2月2日 → 2025年2月9日 → 2025年2月16日 → 2025年2月23日 → 2025年3月2日 → 2025年3月9日 → 2025年3月16日 → 2025年3月23日 → 2025年3月30日 → 2025年4月6日 → 2025年4月13日 → 2025年4月20日 → 2025年4月27日 → 2025年5月4日 → 2025年5月11日 → 2025年5月18日 → 2025年5月25日 → 2025年6月1日 → 2025年6月8日 → 2025年6月15日 → 2025年6月22日 → 2025年6月29日 → 2025年7月6日 → 2025年7月13日 → 2025年7月20日
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