祈りをオルガンの調べにのせて

パイプオルガン

パイプオルガンの写真 48鍵4ストップ204パイプ電動式
フランス・ガルニエ製
1992年5月設置
修理部品の入手が困難なため3代目リードオルガンの保守が難しくなり、新しいオルガンの検討が始められた頃、 聖路加国際病院礼拝堂のパイプオルガン調律のために来日していたマルク・ガルニエ氏と根本司祭との出会いが、 教会に新しいオルガンが導入されるきっかけになりました。実際に教会に訪れたガルニエ氏より、礼拝堂の大きさ や構造から箱型の「ポジティフオルガン」を提案されました。また、導入にあたり、当時としては珍しかった5度管も 取り付けられました。それ以前のパイプオルガンには、音に彩りをつけるためにリード管が用いられていましたが、 音程の維持等の保守が難しいという欠点があり、ガルニエ社へ特にお願いしたものでした。
今回の取引は途中に商社を入れずに、フランス語ができる信徒がガルニエ社と直接やりとりすることで順調に進め られました。ところが、ちょうど同じ時期に行われていた世界最大級と言われる東京芸術劇場のガルニエ・パイプ オルガンの設置作業が遅れたため、教会への納品も延び延びになるというハプニングに見舞われました。 結局、当初の予定よりも若干遅れて1992年5月に設置されました。
ところで、マルク氏の息子さんであるマテュー氏に毎年調律をお願いしています。作業の合間に交わされる、今では すっかり上達した彼との日本語による語らいも、年に一度の楽しいひと時です。このように充実した音楽環境の中で、 毎主日の礼拝が行われています。

リードオルガン

3代目リードオルガンの写真 73鍵17ストップ総2列笛足踏み式
アメリカ・ウィンザー製
1967年購入(中古品)
信徒の知人から、藤沢にある修道院がオルガンを手放すという話が持ち込まれ、中古品ながら購入したものです。 初代オルガンに似た17ストップの豪華なオルガンは、音色も重厚で礼拝音楽に大変適していました。ただ、外国人の 体格に合わせたサイズで造られていたため演奏時の足踏みには苦労も多く、小柄のオルガニストにはあまり評判が 良くありませんでした。
現在は礼拝堂後方に置かれています。一時は修理困難と診断されていたこのオルガンも修理がかない、礼拝音楽の 多くをパイプオルガンの音色にゆだねる中、陪餐唱などの際に用いられています。

リードオルガン

61鍵7ストップ総2列笛足踏み式
山葉楽器製
1950年頃購入
戦前からオルガニスト奉仕をしていた信徒が、オルガンの製造を再開した山葉楽器の銀座にある山葉ショールームに 展示されていた製品を一目で気に入り、その場で自分のお金を手付けとして払って予約したというエピソードがあります。 後に正式な手続きを経て、教会として購入しました。物資の乏しい時期の製品のため、購入当時はジュラルミン製の笛 でしたが、後年、真ちゅう製に交換され音も良くなりました。
現在は会館に置かれ、昼食会(愛餐会:あいさんかい)や詠唱などの際に用いられています。

リードオルガン

61鍵13ストップ総2列笛
山野楽器製
1934年購入
1945年戦災により焼失
1934年に礼拝堂が聖別され専用のオルガンが必要となり購入されました。聖所の右側に設置されたこのオルガンは 仕様もかなり豪華で、その音色は荘重で音量も十分あり聖堂内に良く響きました。
1943年ごろから戦争が激しくなりオルガンの疎開も検討されましたが、当時楽器はぜいたく品で輸送することができず、 1945年4月15日の空襲で教会建物とともに全焼してしまいました。
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