名物教師たちの教え

  管区事務所総主事 司祭 □一しンス三鍋 裕

高校時代に何人かの名物教師がいました。授業の内容は覚えていないが、当時の私たち

にはハッとする言葉が飛び出し、物の考え方に付いて学ばされたように思います。旅行に詳

しい地理の教師、「初めて行く場所にはカメラを持って行くな。カメラに気を取られること

なく人をも景色をも見ろ。帰ってから鮮明に思い出せるように刻み付けろ。第一、食べ物の

味はカメラなんかに記録できない。新しい出会いを一生懸命大切にしなければ。カメラは

甘えの道具になる。二度目臥降はカメラの面白さも楽しめば良いけれど。」

趣味で教えている国語の非常勤講師も言いたい放題、「新聞に書いてあるから問違いない、なんてのは迷信だぜ。戦前戦中の新聞もひどかったが、今の新聞だってひどいよ。新聞原稿

を届けるバイクは事故ばかり起こすのに紙面には出ない。他にニュースがなければ、小さな

出来事も1面トップの大事件になるし。所詮は人間のやることだから勿論間違いもある。

新聞にだまされないように、普段からちゃんと物を見る習'慣をつけないと。先入観とは恐ろ

しいものだと'憶えておけよ。」

奥さんがミス横浜と伝えられる古参の社会科教師(実はデマだったらしい)、「おまえと、隣

の友人とどちらが優秀かと考えたらどうする。馬じゃあるまいし速く走るだけで人物優秀

とはいかんだろう。スピードに関してのみの差は事実あるけれど。数学の力に関してのみ2

人を比較すれば差があり区別は出来るが人物全体となると、たった2人でも優劣をつける

方法がない。譲ってこの民族のこの1人の人物は優秀であると言えても、それはその1人だ

けのことで民族全体ではない。民族の優秀性なんか測りようがないがない。したがってこ

の民族は優秀、あの民族は劣ると言う考えは非科学的な迷信に過ぎない。」余計なことだが

最近ミス何とかと言うのはかなり批判を受けている。京都で新聞を読んでいたら「何とかの

プリンセス募集、18才以上、高校生不可、何歳までの未婚の女性」となっていた。これでは

言葉を変えただけで意味が無いように思うのです

 1年だけ勤めた学校でご一緒した原田教授も言っておられた。「事実に基づいた区別は仕

方がない。しかし差別は、何の根拠もないのに最初から排除してしまう恐ろしいことだ。」

思えば若い時代に大切なことを教えられていたわけです。数学は卒業試験に反省文を書

いて赦してもらったが楽しい時代でした。新しい出会いを誠心誠意大切にせよ、先入観に惑

わされるな、お互いの優劣、まして民族の優劣を測るなんて非科学的な迷信である。差別さ

れる側の痛みを知れ。その恩師たちの教えに忠実に生きてきたかと言うと少々自信があり

ません。それでいて有色人種として受けた差別の不''快さは忘れませんが。

先日管区事務所としては是非伺っておかなければならない用事で、大先輩8司祭をお訪ね

しました。お元気なこと。ご自分でも笑っておられましたが、質問する暇もなく講義が続き

ます。いつもわれわれよりも10歩先を考えているお方、やっと追いついたらまた10歩先に

いるようなお方です。

 「先生、もうちょっとゆっくりやってくださいよ。追いつくのに息が切れるよ。」といつも

申し上げます。私とは全部同じ考えではありませんが、頭のあがらない相手なのです。「牧師

さんの奥さんになる人て、どないに変わった人かと思っていたのに自分でなってしもう

た。」と言う婚約者を連れて「洗礼・堅信頼みますよ。それから私が呼ぶまで虫がつかないよ

うに見張っていてくださいよ。」と頼んだご夫妻ですから。ちゃんと守ってくださった。講

義中でありながら時間がきたので、お暇するとき講義のまとめを言われました。「オリエン

タリズム(東方文明・実際にはアジア文20031月25日 第11号7))という言葉

があるだろう。あれは差別的な表現だよ。ヨーロッパから見て段々東に遠くなる地域に向

かって「中心のヨーロツパのわれわれが優れていて、その中心から遠く離れている東方は劣

っているとのニュアンスがある(近東、中東、極東の言い方もそうですね)。地理的な問題よ

りも自分たちの文化がより優れている、他は劣っているという考え方だね。昔日本にきた

アメリカ人にも少なくはなかった。日本人も同じかもしれん。日本人同士でもあるだろう。

自分がより優れ、正しく、相手は劣っていると最初から勝手に決めてかかるのが差別の出発

や。総主事に言っておく。オリエンタリズムには気をつけろ」。長い講義の結論は簡潔明`

快でした。今度はお弁当と水筒を持って伺いましょう。それにしてもお元気です。

いや、実際文明の優劣なんて測れるのでしょうか。ドルで計算する'性質ではないでしょう。

民族の優劣は測れるのでしょうか。それぞれの文化や価値観は巻尺で測れるのでしょうか。

勝手な先入観にとらわれてはいないでしょうか。出会いを大切にと願いながら、私たちは自

己紹介ばかりで相手から聞くことが少なすぎはしませんか。私たちの知らなかった素晴ら

しいことを語ろうとしてくれているかもしれないのに。未知のもの、異なるものに接すると

き最初から優劣という実体のない言葉で排除するのではなく、その中にどんなに素晴らし

いものが含まれていて、私たちをより豊かにしてくれるだろうかいう心を持ち続けたいの

ですが。なんとなく不安の多い1年の始まりですが、今まで知らなかった美しいもの、楽し

いことをたくさん見つけることのできる年でありますように。

□主事会議

第53(定期)総会期第6回

2003年1月10日(金)主な協議事項

1.常議員会から託された検討事項について

(1)大斎克己献金―国内伝道強化プロジェクト選定基準見直しについて

(2)各教区聖職養成担当者会開催について

2.アイヌ奨学金について

3.J.バーグ司祭嘱託について 

英文公文書作成等のため

4.大田教区(韓国)の後継主教按手式出席について

テキスト ボックス: 	        公  示日本聖公会第54(臨時)総会を下記のように招集いたします。     救主降生2003年1月25日         日本聖公会総会議長         主教ヤコブ字野徹         記日時:2003年5月10日(土)11時から16時まで場所:日本聖公会センター(牛込聖公会聖   バルナバ教会)   162-0805東京都新宿区矢来町65目的:大阪教区主教選挙のため                以上	                    

  首座主教、総主事が出席

 ・次回以降の会議:2月7日(金)、3月7日(金)

□各教区

  東北

 ・第8(臨時)教区会 2月11日(火)

東北教区主教座聖堂

□諸施設

聖公会生野センター

・10周年記念事業 イベント・トークショー

「東西五人囃子(あっちもこっちもみんないきいき)」

3月16日(日) 大阪女学院ヘールチャペル(大阪市玉造)出演予定者:筑紫哲也、辛淑玉、桂あやめ、趙博、永六輔

入場料¥3000(前売り¥2500)

十逝去者 パラダイスにおける光明と平安を祈ります。

執事 ヨハネ福島政美(東北、松丘聖ミカエル教会牧師補)

2003年1月1日(水)逝去(70歳)

《人 事》

東北教区
<信徒奉事者認可>           2003年1月1日付

青森聖アンデレ教会   ダビデ石場正樹、アタナシオ石場広樹、アタナシオ植松信義、

べルナルド鎌田康治、マタイ木村俊昭、バルナバ今邦正、

                        アッシジのクララ今広子、ボリカーブ鈴木喜代作、

                        ヤコブ高橋弘次、アンデレ高橋博、セシリア田口美枝子、

                        モニカ中道トキ、アグネス成田綾子、サムエル疋田博、

                        マーガレット福田優美子、マーガレット藤林郁子、

                        ミカエル前田博美、ヤコブ峰岸武志、ルシアン村上正三

  松丘聖ミカエル教会    ヨハネ藤崎陸安

盛岡聖公会            ぺテロ阿部祷典、フランシス兵庫裕、ヨハネ平井武

福島聖ステパノ教会    マリヤ西間木美恵子、エリサベツ鹿又澄子、アグネス今泉容子

執事サムエル佐藤一路    2003年1月13日 司祭に按手される

聖職候補生ステバノ越山哲也 20031月13日 執事に按手される

京都教区

執事エッサイ矢萩新一  00212月7日付 上野聖ヨハネ教会牧師補に任命する。

司祭サムエル小林宏治  00212月7日付 敦賀基督教会副牧師に任命する。

司祭エレミヤ上松 興  00212月7日付 金沢聖ヨハネ教会副牧師に任命する。

ヨブ加納嘉人          0031月14日付 聖職候補生に認可する。

マタイ出口創          0031月14日付 聖職候補生に認可する。

九州教区
司祭パウロ漬生正直  200212月19日付「福岡べテル教会」伝道所管理を任命する。

<信徒奉事者認可>  2003年1月1日付

延岡聖ステパノ教会  山崎 詮

  直方キリスト教会   君原 責

小倉インマヌエル教会 東美香子、石田和史、石田みち子、芳賀幸恵、ロバート・ロング、

若松スミヨ

  福岡教会       秋山献之、有村元伸、壱岐裕志、佐山永時、田中寛、外池圭二、

藤井東秀

菊池蕊明教会     南山正夫

  

                   《移 動》

  施設

 門司聖救主教会、小倉インマヌエル教会(九州)

002年11月23日付日本聖公会法規第12章第17条に

基づき合併。名称は小倉インマヌエル教会とする。

「福岡べテル教会」伝道所(九州)

             200212月19日付 伝道所設立認可

811-1351福岡市南区屋形原3-13-56

003年正義と平和委員会新年アピール

日本聖公会正義と平和委員会

キリストにある兄弟姉妹の皆さんの上に、キリストの平和が豊かにありますように。

正義と平和委員会は、昨年開催された日本聖公会第5(定期)総会において、日本聖公会の

社会正義に関わる諸委員会の働きを継続発展させるために立てられました。わたしたちは

新しい年の初めにあたり、日本聖公会に属するすべての方々と共に、以下のことを分かち合

い、共に祈りたいと願っています。

戦争に反対し、平和のために祈りましょう

一昨年の9月11日に起きた同時多発テロによって、世界は、再び戦争への道を歩みだし

ました。アメリカによるアフガニスタンヘの攻撃は、それで終わることなく、ブッシュ大統

領によって「悪の枢軸国」と名指しされたイラクや北朝鮮に対する戦争へと拡大する様相を

示しています。

わたしたちは、いかなる戦争にも反対します。わたしたちの国が先の戦争によって、海外

ことにアジアの人びとと自国民に、甚大な被害をもたらしたことを再び思い起こす必要が

あります。戦争は、いかに正義の名目で行われるものであっても、戦場とされる地域の被害

者は、その社会で小さくされている人びとです。真っ先に犠牲となるのは、子供、女'性、高齢

者です。そして戦争の犠牲によって生じた憎しみは、戦争が終わった後も、世界を覆うこと

になってゆきます。

同時多発テロによる犠牲者、アフガニスタンにおける犠牲者の痛みを、憎しみではなく、

痛みを負う人をこれ以上作らないための力にしてゆくことが求められています。アシジの

聖フランシスは「憎しみのあるところに愛をもたらすことができますように」と祈りまし

たが、そのような平和の器としての働きを教会が担うことができますように、皆さんととも

に祈りたいと思います。

平和憲法を守りましょう

日本は、アメリカの対イラク攻撃の準備に呼応して、海上自衛隊のイージス艦をインド洋

に派遣しました。戦争の危機にある地域に軍事目的で、自衛隊の艦船を派遣することは、明

らかな海外派兵であり、国の交戦権を否定した憲法に違反しています。先の国会で、戦争が

できる国家体制を作るために「有事法制法案」が上程されましたが、ここ数年の日本の政治

的な動向は、日米安保条約ガイドラインの承認、日の丸・君が代の法制化など、戦争ができ

る国づくりの準備が、着々と進められていると言わざるを得ません。さらに小泉首相は、就

任以来、内外の強い批判を無視して、戦争指導者が祀られている靖国神社参拝を繰り返して

いますが、これも戦争ができる国づくりの一環の中で捉えることもできると思います。

このような時こそ、日本の戦争によって、アジアの人々も、日本人も犠牲になったことか

ら、もう一度深く学ぷ必要があります。戦争による犠牲者を生み出す国家体制づくりのすべ

てに、わたしたちは反対します。小泉首相は、靖国神社で「平和を祈念した」と弁明しました

が、平和を祈念するのであれば、先の戦争の尊い犠牲の上に生まれた日本国憲法を遵守する

ことを強く求めたいと思います。そしてわたしたちが、日本国憲法の大切さをもう一度深く

認識することができるように、皆さんと共に学び、祈りたいと思います。

北朝鮮と和解の道を歩みましょう

わたしたちは、昨年明らかにされた朝鮮民主主義人民共和国(以下・北朝鮮)による日本人

位致に対して、強い憤りを覚えます。国家が自国民であれ、外国人であれ、個人に犠牲を強い

ることは、決して許されることではありません。日本はかつて、植民地、占領地の人々を連

行して、強制労働に従事させた過去を持っています。わたしたちは北朝鮮政府に対し、拉致

事件の全容を明らかにすること、そして拉致被害者への謝罪と償いを求めます。また日本政

府が、過去の強制連行と植民地支配について、北朝鮮の人びとに対し謝罪と償いをするよう

に求めます。互いの過ちを認めあう中で、和解の道が開けてくるものと信じるからです。

おわりに

日本聖公会は、1996年の総会で行った「日本聖公会の戦争責任に関する宣言」において、

過去の日本聖公会のあり方を'悔い改めました。戦争が始まってからでは、戦争に反対するこ

とはとても難しいことを、わたしたちは過去の日本聖公会の歴史から学びます。

だからこそ、今この時に、皆さんと共に、平和を求めて祈りたいと思います。わたしたちの

小さな祈りが、神の助けと導きによって、戦争を阻止できる力強い祈りとなってゆくことが

できますように。

在主

(小泉首相の靖国参拝に対して日本聖公会正義と平和委員会は、

下記抗議文を首相あて送りました。)

0031月16日

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

日本聖公会正義と平和委員会

委員長 司祭 前田良彦  

           小泉首相の靖国神社参拝に抗議します

去る1月14日の午後、小泉首相は突如として、靖国神社の参拝を強行しました。

靖国神社は、明治以降の日本が行ってきた戦争を、すべて正当化するために作られた神

社であり、天皇の名の下に戦って命を落とした人たちを「英霊」として祁り、顕彰するところ

です。従ってそれは戦後、日本の国が原則としてきた非戦平和の理念とは、およそ相容れな

い性格のものです。

わたしたち日本聖公会は、時の首相が靖国参拝を強行する度に、総会決議や抗議声明を

通して、首相の靖国参拝は、非戦平和と政教分離の原則から、明らかに憲法違反であること

を指摘してきました。

日本による植民地支配や侵略戦争の犠牲となったアジアの国々からの度重なる首相の靖

国参拝の批判と抗議があるにもかかわらず、小泉首相が首相就任して以来、三度も靖国神社

参拝を強行するということは、これらの国々との間に積み上げてきた友好と平和の信頼関

係を無視するものです。「平和を祈念した」と、小泉首相は弁明しましたが、アジアの国々か

ら見れば、小泉首相の行為は、先の戦争に対する責任と反省が何一つないと受け取られ、さ

らには挑発的行為とすら映るのではないでしょうか。

また、首相が、戦争を肯定し、「英霊」を祁る靖国神社参拝を繰り返すということは、次期国

会で審議されるであろう「有事法制」法案の内容と合わせて考えるならぱ、日本を「戦争がで

きる国」へと変えるための体制づくりの一環であるとすら思えてきます。

わたしたち日本聖公会正義と平和委員会は、小泉首相の靖国神社参拝が、日本国憲法に違

反し、世界の国々ことにアジアの国々の人々の心を傷つける行為であることを、あらためて

指摘し、強く抗議いたします。

平和を求めて、小さくも着実なキリスト者達の働き

1世紀は「テロ」と闘うという大義名分のために、アフガニスタンやバレスチナに強大な

軍事力を使った破壊行為が行われ、今またイラクヘの攻撃も準備されているという暴力的

な幕開けとなってしまった。一方、「戦争ではなく平和を!」という人々の声も世界のあち

らこちらで広がっている。

日本のキリスト者たちも教派を超えて平和を求める動きをおこし、少しずつその輪を広

げている。「平和を実現するキリスト者ネット」(通称:キリスト者平和ネット)は有事法制を阻止し、憲法改悪の動きに抗して1999年に発足し、その後つくられた「平和をつくり出

す宗教者ネット」と時に協働しながら平和のための活勤を展開している。各地の教会が地域

の中で地味な平和活勤をしていることも伝え聞くが、東京でのいくつかの動きを紹介した

い。

2002年12月13日、渋谷カトリック教会で「キャロリング・フォ・ビース」と銘

打った礼拝と渋谷の町を「すべての人の平和を願い、すべての人の平和を祈る」と唄いながら歩く催しがあった。参加者は約200名。(主催はキリスト者平和ネット)

2003年1月6日夕べ、「顕現日の祈りの集い・・・平和のために私たちは何をささげ

るのでしょうか」が牛込聖公会聖バルナバ教会でもたれた。主催は聖公会内の自主グルー

プ「女性が教会を考える会」。独自の式文による礼拝の中で京都教区の小林聡司祭のスライ

ドを用いてのお話を聴いた。同司祭は2002年6月から9月にかけてパレスチナ、パキスタ

ン、アフガニスタンの難民キヤンプを訪ねた経験から、顕現日の聖書の物語と重ねて、今自

分たちは平和を創り出すために何を捧げるのかを示された。礼拝後、参加者が行動へと一歩

踏み出すためのいくつかの提案もなされた。参加者は37名。20031月18日は米国を

はじめ世界各地でイラク攻撃に反対する平和集会「ワールド・ピース・ナウ118」が開催さ

れ、米国では50万人を超える参加者があり、べトナム戦争の反戦集会をしのいだと報道され

ているが、日本もこれに呼応して日比谷公園で集会と銀座への平和の行進が行われた。参加

者はおよそ7000人。多くの市民団体、NGO、とともに宗教者も大きな役割を果たした。集

会では宇野首座主教が宗教者を代表してスピーチを行われ、すべての者の創造者であり人

を神の似姿につくられた神は、それを破壊する戦争ではなくいのちを選ぶことを人類に呼

びかけておられると訴えられた。

強大な力を持つ世界の政治や経済の支配者の決断を覆すためには、あまりにもささやか

な動きかもしれないが、さざ波のような動きが大波となって変わらないと思われていたも

のを覆すこともあると信じたい。(広報主査・松浦順子)

岡野利治主教、宣教師としてブラジルに赴任

かねてよりブラジルのサンパウロ教区ヨハネ教会と岡野利治・前京都教区主教との間で

進められてきた、同主教ご夫妻の渡伯は、1月16日と決定した。この記事が読者の目に留

まる頃には、既にサンパウロに居住されていることになろう。

聖ヨハネ教会は、かつてのブラジル聖公会日本人ミッションの本部であったところ。故伊

藤八十二大執事が設立された教会で、20031月で、ちょうど創立70周年を迎える。

会衆の8割は日系人で占められている。しかし、会衆の二世、三世化により、主任司祭は2

代前よりブラジル人司祭となり、日本人司祭は助任司祭にまわっている。

001年末をもって日本語担当の松尾常雄司祭が辞任され、母教区の神戸教区に退職司祭

として帰任されることになった。わずかとなった日本人一世ではあるが、その霊の牧会のた

め、なんとしても日本人司祭を招聴し、日本語礼拝を守りたい、という教会委員会のたって

の要請をうけ、岡野主教様にお伺いいたしたところ、ご`快諾くださり、武藤京都教区主教と

字野首座主教のご了解を得て、今回の岡野主教と奥様の渡伯が実現することとなったわけ

である。

8歳にして生まれて初めて異国に、短期間ながらも宣教のために移住されるということ

は、近来稀な快挙と言い得るものと思う。見も知らぬ地に老齢を顧みず、主の僕として宣教

のために赴かれる、ご夫妻の信仰にはただただ感動するのみである。「布教師査証」は1年間であるが、1回の更新は可能であるので、ご夫妻の健康が許せば少なくとも2年間は滞在

していただきたいと希望している。出来ることなら、その後も日本から退職聖職を迎えて、

老齢化した日本人移住者のためにお働き頂きたいと希望している。

岡野主教ご夫妻の健康とお働きのために、日本聖公会の皆様のご加梼を切にお願い申し

上げたい。

00212月29日      

サンパウロ教区主教伊東 宏


献金のお礼状 2002年「社会事業の日の信施」奉献先の児童養護施設三光塾よりお手紙を

いただきましたのでご紹介いたします。

社会福祉法人 三光事業団

地域小規模児童養護施設「御殿山ひかりの家」――より

日本聖公会 管区事務所様

主の御名を賛美いたします。

このたびは、全国の教会の皆様より、私どもの「御殿山ひかりの家」の働きに対して、御献

金を賜わりましたことルより御礼申し上げます。その額の大きさと共に皆様の御気持の大

きさに驚くと同時に、私どもの大きな責任を感じております。私どもの力は小さいですが、

神様のお導きと、皆様の支えにより歩みを進めたいと願っております。更めて、皆様には御

礼をと考えておりますが、取り急ぎ領収書を送付させて頂きます。本当にありがとうござい

ました。

ご寄付を頂いた日 200212月11日

    ご寄付を頂いた額 ¥2,400,000

        社会福祉法人 三光事業団

        児童養護施設 三 光 塾

      施設長  側垣 一也