地震や津波の被災者が次々と仮設住宅を離れて行くなか、原発被災者の多くは移転先が定まらないまま、仮設住宅での暮らしも4年余の年月を数えます。
時が経つにつれ、先行きの不安に加え、住環境の悪さによるストレスが深刻化しています。現地の人たちとの無用な対立も生まれています。
このような中、仮設住宅に住まう方々と共に歩もうと、さまざまな支援プログラムを行っています。
福島県いわき市 冨岡町泉玉露仮設住宅
(ほっこりカフェ・地域の行事に参加し交流を深めるプログラム等)
~2011年9月30日金曜日の「小名浜聖テモテ支援センター」のブログより~
本日は仮設住宅の駐車場をお借りして、屋外喫茶を行いました。
名付けて「ほっこりカフェ」。コーヒーやお茶、そしてお菓子を頂きながら、ゆっくりおしゃべりしましょう、という企画です。
仮設住宅に入居された方々は、同じ町から来たとは言え、もともと居た地域は様々です。
そこでカフェを通して、少しでも交わりを深めて頂ければ、と考え、企画しました。
※「ほっこり」とは、京都の言葉で「ほっとする」「いやされる」「落ち着く」という意味で使われています。
福島県いわき市渡辺町 昼野仮設住宅
(ほっこりカフェ・地域の行事に一緒に参加し交流を深めるプログラム等)
~2015年6月20日 月曜日の「小名浜聖テモテ支援センター」のブログより~
幼稚園から小学生のチアリーディングチーム「クラップス」の子どもたちが、カフェに来てくれました。心がウキウキしてくるダンスパフォーマンスを披露してくれました。手拍子と拍手が鳴りやみません。
タオルを使った年配者向けの体操も、子どもたちが指導してくれました。ついつい張り切ってしまい、「ああ~、伸びる~」との声が上がります。子どもたちは、年配者の肩をもんだり手のマッサージをしたり、話し相手になってくれました。
福島県新地町 がん小屋仮設住宅
(水曜喫茶・居宅訪問・子ども達と一緒に過ごすプログラム・地域にお住いの方々と共に行事に参加するプログラム等)
「ほっとコーナー♡親子タイム」
7月から、被災者支援センターしんち・がん小屋では月2回ほど水曜喫茶で「ほっとコーナー♡親子タイム」を開催しています。
このプログラムは、精神科と小児科の医師である北川恵以子さん(けいこ先生)と小児科医の明城和子さん(かこちゃん先生)が交替でほっとコーナーに参加し、いろいろなお話をしたり、相談にものる内容となっています。
震災から5年目を迎え、新たな住まいを得る人が増える一方、今も仮設に住み続ける人々の70%が原発被災者です。この方々は「取り残された」という強い孤独感を抱えており、時の経過につれメンタルケアのニーズが増してきているのを実感しています。
けいこ先生は震災直後より南相馬市へ医療チームの一員として訪れていました。以前から水曜喫茶にも参加してくれて、仮設に住む人たちの悩みをさりげなく聞き出してくれています。
又、東京で医師をしているかこちゃん先生は、仙台のご実家へ帰省する際にがん小屋へ寄ってくれています。夏休みの宿題を一緒にするなど、子どものプログラムを通してお母さんに出会い、お母さんたちの心のケアにも取り組んでいます。
実際に利用された方々からは、「聞いてもらえて良かった」、「知り合いのお母さんにも教えたい」などとの声を頂いており、好評です。