放射線を計測する機械がある。手のひらにのる大きさで、ボタンを押してスイッチを入れ、数字が出る窓を何分か注視すると測定された放射線の数値が出る、という手軽で便利な仕組みになっている。測った放射線の数値が高いとか低いとかの基準は毎時0.23マイクロシーベルトという数値である(国は、1年間に受ける被ばく線量を1ミリシーベルト以下とすることと定めています。この年間1ミリシーベルトを1時間当たりに換算し、それに自然被ばく量を加えた数値が毎時0.23マイクロシーベルトとされています。この数値は、除染実施計画を策定する基準にもなっています。ただ、この数値の算出方法や基準値そのものに対しては様々な意見があり、これ以下であれば、必ずしも安全であるということは言えません)。
測定器の小窓に出た数値がこれより高いと不安になり、低いとまあほっとするという感じである。自分の生活している環境の放射線の量を測るのは正直なところ落ち込みます。それは高い数値がでると不安になるからであるし、ここで生きている者だからだと思う。じゃあ測らなければいいのにと思いつつも、やはり知りたいという気持ちが勝ってしまい、ついつい測ってしまう。数値が0.23より低いとニヤリと安堵し、数値が高いと“この道を歩いて大丈夫だろうか?”“ここにいて安全なのだろうか?”“健康に影響はいつ来るんだろうか?”といった自分自身への質問の嵐が来る。毎回いつもこんな調子である。どうしてこうなるのが判っていていながら知りたいという気持ちが勝ってしまうのだろう?
たぶん不安になるのはここで生きている者だから、そして知りたいという気持ちが勝ってしまうのはここで生きていく者だからだと思う。
たまたま測った2015年6月2日の郡山オフィスの周辺の線量の測定結果です。
◆オフィスの中・・・・・・毎時0.13マイクロシーベルト
◆セントポール会館の中・・・・・・毎時0.18マイクロシーベルト
◆オフィスの外の花壇・・・・・・毎時0.32マイクロシーベルト
◆オフィスの外のアスファルトの上・・・・・・毎時0.78マイクロシーベルト
◆オフィスの外の垣根・・・・・・毎時0.32マイクロシーベルト
◆オフィスへ向かう道の途中・・・・・・毎時0.26マイクロシーベルト
◆その手前の交差点・・・・・・毎時0.31マイクロシーベルト
(スタッフ/佐々木)