(2015年5月21日中日新聞掲載記事より)
再稼働に向けた審査で事実上の適合とされた四国電力伊方原発3号機。立地・周辺自治体は避難態勢の整備を進めるが、原発は「日本一細長い半島」(伊方町)の付け根にあるため、原発から西側の半島で暮らす住民約5千人は事故が起きた場合、原発の前を通り過ぎ逃げる想定となっている。半島の先に逃げフェリーで大分県などに避難するルートもあるが、南海地震と原発事故の複合災害が起きた場合は陸路も海路も使えず半島から逃げ出せなくなる恐れもある。又、周辺の山口県や大分県の住民も不安を抱えており、課題は山積している。
昨年九月の川内1,2号機を皮切りに一年もたたないうちに3原発、計5基が審査に合格し、原発が次々に動く再稼働ドミノが現実味を増してきた。そこにはより高い安全性を目指すという謙虚な姿勢が見えない。
福島で暮らし原発事故の痛みを知っている人こそ、事故を教訓とせず人命を犠牲にしている政府の原発回帰路線に疑問や怒りを強く感じることと思います。
しかし地域に根差し暮らしていく上では色々な柵があり、原発に関して自由に発言や行動が出来ないという葛藤を抱えているのが現実です。
今、福島で何事もなかったように暮らしているように見える人たちもきっと、この事故で流した涙を無駄にしたくない、未来に役立てて欲しいと心から願っているのだと思います。