ごあいさつを兼ねて
司祭 ヨハネ 相澤牧人
運営委員長であった野村潔司祭が逝去されたことは、大きな痛手であります。ことにこのプロジェクトに関わる者にとってはなおさらのことでした。彼の魂が、主のもとにあって安らかに憩われますことを祈り続けたいと思います。
さて、その後任として、私が指名されました。ごあいさつを兼ねて記します。
私たちキリスト者が、キリスト者として様々に考え、ものを見ていく視点の根底にあるものは「いのち」です。神さまから一人一人に与えられた一つのいのちが、いかに尊く大切なものであるか、そのことを伝え、実践していくことにあると考えています。主イエスの教えはまさにそのことを語っています。
原子力発電をその視点から見る時、ことに福島の原発事故によって、素人にもその問題が明らかになり、知らされたことを考える時、歩む道は示されているのではないかと思います。
私は、原発を再稼働することを考えている人々が言う「安全」と、いのちの尊さから考える「安全」の違いに苛立ちを感じている者です。原発から出て来る廃棄物の無害化の技術が確立されていない今、稼働すればするほど危険物をどんどん生み出しているということをどう理解するのか、ということです。ましてや電気は原発がなくても足りているという現実、そして、電気を作り出す方法は様々にあるということを思う時、そこに求められることは「決断」なのだと思います。
(横浜教区 市川聖マリヤ教会牧師)