全国世論調査により原発再稼働について反対58%、第一原発廃炉について87%が「順調でない」

(2015年9月20日福島民報新聞掲載記事より)

政府が進める原発再稼働に反対の人が58%で、賛成の37%を大きく上回ったことが、福島民報社加盟の日本世論調査会が9月12、13日に実施したエネルギーに関する全国面接世論調査で分かりました。

再稼働した原発で事故が起きた場合、住民が計画通りに避難できるかどうかについて「できるとは思わない」「あまりできるとは思わない」が計74%に上り、「ある程度」を含め「できる」とした計25%を大きく上回りました。8月に九州電力川内原発1号機(鹿児島県)が再稼働しましたが、事故への備えに懸念が強いことが浮き彫りとなりました。
再稼働に反対の理由は「原発の安全対策、事故時の住民避難などの防災対策が不十分」(39%)が最も多く、「原発から出る核のごみの処分方法が決まっていない」「福島第一原発事故が収束していない」が続きました。

原発の再稼働や事故時にどこが責任を負うべきかという質問には70%の人が「政府」と答えました。二番目に多い「電力会社」(15%)、三番目の「電力規制委員会」(10%)と大差がつきましたが、責任の所在は曖昧なままです。

又、東京電力福島第一原発の廃炉作業について、87%が「どちらかといえば順調でない」「順調でない」と答えています。
東京オリンピックにあたり、安倍晋三主相は汚染水問題について「状況はコントロールされている」と世界に発信しました。しかし当時から汚染水をめぐるトラブルは続いており、廃炉作業の最大の課題である溶け落ちた核燃料の取り出しについても、いまだに状況を把握出来ていません。

こうした国民の声に耳を傾けず、いったい誰のためのエネルギー政策なのでしょうか?
今、この国の政治は命よりも何か他の物を優先しているということに他ならないと思います。