これからの働きが問われている

東日本大震災から5年余が経過しました。これまで、さまざまな形で共に歩んできた方々が、これまでを振り返り、また今想う事をリレー形式で掲載しています。
13人目は、愛知聖ルカ教会の日野忠市さんです。
日野忠市さんは、東京教区の小川昌之さんによる『福島を忘れない車の旅』に参加し、頻繁に被災地を訪れてきました。
震災以降、福島の人の心に寄り添い、原発事故が及ぼす影響を見続けてきた日野さん。5年という月日が流れても、変わらず共に歩み続けて下さるその想いに、今も福島で暮らす私たちは励まされています。


『これからの働きが問われている』

愛知聖ルカ教会 日野忠市

東京教区の小川さんの車に乗せてもらう東京―福島往復一泊二日800kmの旅に、中部教区の方々と13回参加させてもらってきました。
管区の「原発と放射能問題プロジェクト本部」がある郡山事務所、松本普さんが常駐しいる雁小屋仮設住宅の方々との交流、飼育を禁止されている300頭以上の牛の命を守り続けておられる吉澤正巳代表の「希望の牧場」、磯山聖ヨハネ教会の跡地、尊い命が津波で失なわれた「ふじ幼稚園」、原発10km圏内での放射線量測定などを組み入れた旅に連れて行ってもらい、現地の状況を少しは知ることができるようになりました。
事故以来5年半を経た今も、人々がさらに過酷な状況に曝されいるのだということも理解できました。
原発問題はもう落ち着いてきているという印象を与えようとする諸策が進められ、人々が根負けするのを待っているのではないかと思いました。
雁小屋仮設にお住まいの方々が、帰り際に「忘れないでね」「また来てね」と言って下さる言葉に励まされ、あまり役に立っていないな、という無力感を救ってもらって来ました。
これからの働きをどう続けてゆくのか、私自身が問われているのだと思っています。