ほっこりカフェのお手伝いをして

東日本大震災から5年が経過しました。節目である年を迎えるに当たり、共に歩んできた方々がこれまでを振り返り今想う事を、リレー形式で掲載します。
6人目は、福島県いわき市にある「冨岡町泉玉露仮設住宅」と、同市渡辺町「昼野仮設住宅」で毎週行われている『ほっこりカフェ』で提供されるお茶菓子をお送り頂いている、奈良キリスト教会の谷利子さんです。


東日本大震災仮設住宅
『ほっこりカフェのお手伝いをして』

奈良基督教会 谷 利子

東日本大震災から5年4カ月余り、もしあの日の出来事が無かったら・・・・。被災された方々にとって、心身共に、私が想像を絶するような不安、困難、絶望、悲しみ、寂しさ、悔しさを乗り越えて来られたのですね。御慰めの言葉も出て来ません。私たちは、このご苦労をどれだけ理解できているのでしょうか。力のなさを感じています。

遠くにいて何をお手伝いしてよいか分からない。体力、年齢のことを考えると、下手にお手伝いして邪魔になるのでは、出かけて行って足手まといになるのでは、との思いがめぐり、「私にできることは、お祈りすることしかない。」こんなことを考えておりました時、主教様方の提案で、いわき市の小名浜に「ほっこりカフェ」が誕生しました。京都、大阪、神戸の教区婦人会が協力し、お手伝いすることになり、今年で、4年目となりました。私が、ほっこりカフェの具体的なお世話をさせて頂いて2年目になります。各教会の婦人会の方々の快いご賛同・協力を頂いて成り立っております。本当に感謝です。特産品、季節の果物、手作りお菓子、そして一筆のお便りなどなどを通して、小名浜の方々とのつながりができています。

私たちの奈良基督教会では、手作りお菓子を作るため、「お手伝をお願いします」と呼びかけると、思いもかけずたくさんの方が集まって下さって、楽しくおしゃべりをしながら、お菓子作りをしています。その中には、皆のお昼を作る人、お茶の準備をして下さる方、このお菓子美味しい、甘みが足りない、塩味が少し入っている方が良いわねとか・・・。少し多めに作って、教会の皆様に買っていただき、送料・材料費をねん出し、たくさんのおつりが出て来たりして、教会に集う全ての人の協力があって、ほっこりカフェにお届けしているといった具合です。

お口に合うかしら? みんな笑顔で楽しいひと時を過ごしていただいているかしら? 語り合うということで、皆様の心が和み、笑顔になれる時があると幸いです。

担当の岸本執事と電話でお話し、「最後の一人に至るまで、お世話させて頂きたい」の言葉、そして、先日6月1~2日に開かれた京都教区婦人会の大会に、ほっこりカフェのお世話をしておられる西原千賀子さんをお招きして、感謝のお言葉を頂き、「私は、最後の最後まで仮設住宅に残ります」とのお話を伺って感動させて頂き、私も寄り添ってお手伝いさせて頂きたいと願っているのは、私一人ではないと思っております。