『福島第一原発のような事故は再び起きる』 地震・火山研究者の6割が回答

(2016年3月20日福島民報新聞掲載記事より)2016年3月20日民報

地震や火山の研究者を対象とする共同通信のアンケートで、東日本大震災後も国としての防災対策の在り方は「根本的に変わっていない」として、教訓が生かせていないと懸念する意見が、回答者の9割近くを占めることが分かりました。

このアンケートは震災から5年をきっかけに、地震や活断層、火山の研究者120人に質問票を郵送し、27人から回答を得たものです。
東京電力福島第1原発事故のように、地震や津波と原発事故が複合する「原発震災」が再び起きるとする回答が6割超18人)に上りました。
また、26人(96%)が想定を大きく上回る地震や災害が「今後も起きる」と答えました。研究者自身の判断の誤りや、社会との関わりの薄さを反省する声もありました。


 

私はこのアンケートの回答者が2割程度だった事も気になります。8割の研究者はなぜ回答しなかったのでしょうか?防災問題に科学的に関与する立場である研究者が、もし原発についての言及を避けているのであれば、大変な事だと思います。

原発事故といえば、チェルノブイリ原発や福島第一原発をイメージする方が多いかもしれません。しかし、日本国内だけでも、これまで度々起こっています。1999 年 9 月に東海村 JCO 核燃料工場で、本来あり得ないはずの臨界事故が発生し、2名の従業員が死亡しました。2004 年 8 月には関西電力美浜3号炉で、容易に防止できたはずの2次系配管破断事故が発生し、5名の下請け作業員が亡くなっています。さらに志賀原発や福島第一原発では過去に発生していた臨界事故の隠蔽が明るみになっています。原発事故は実はとても身近なものであり、いつ起こってもおかしくないという事実を、私たち国民は自覚しなくてはならないと思います。