名古屋から福島を想う詩

中部教区報ともしび8月号の『平和のうた』コーナーに掲載されていた、名古屋聖ヨハネ教会の黄金虫さんの作った詩です。

ツバメよツバメ
そんなにうれしそうに飛ぶんだ
セシウムの泥はよしなよ

2015年5月、山階鳥類研究所(千葉県)で全国のツバメの巣を調べた結果、東京や宮城、静岡など13都県の巣から東京電力福島第1原子力発電所事故で放出された放射性セシウムが検出されました。地域別の濃度平均は福島県が一番高く、2番目は千葉県で、周辺土壌と巣のセシウム濃度には関連がみられたそうです。

この報道以来、私はここ福島で空を飛ぶ鳥や巣を見かける度に、放射能汚染の事が頭を過ります。また、原発事故後から、夕方の渡り鳥の異様な鳴き方がずっと気になっています。

私は、放射能から遠く離れた人々が原発の問題を他人事と捉え悪意無く発する心無い言葉に、悲しい想いをする事がしばしばあります。
そうした事が何度も繰り返されるうちに、空を飛ぶ鳥を見て放射能汚染の事を考えてしまう気持ちを、当事者以外が理解する事は不可能なのだろうと思っていました。
その様な中で、福島から遠く離れた名古屋にお住いの方が原発の問題を気にかけ、私たち福島の人と同じ気持ちでいてくれていることがこの詩から感じられ、嬉しく、感謝の気持ちを抱きました。

たとえ当事者でなくても、関心を持ち続け、知識を身につける事で、理解し寄り添うことは出来る。自分自身も誰かに寄り添える人になれるよう、そう信じることが大切だと思いました。
名古屋の黄金虫さん、福島から、心より感謝致します。